【昭和 listen】#099 兼【常緑音楽館便り】#1329~女性という生き方
フェミニズム及びジェンダーの原点ともいわれた女性解放運動ウーマン・リブ(Women's Liberation)。
ベトナム反戦運動や公民権運動に連動する形で、性による役割分担に不満を持った高学歴主婦や女子学生を中心に1960年代後半に米国で起こり、その後世界的に広がった。
ここから、1979年、国連総会において女子差別撤廃条約が採択されるに至り、日本では1985年に男女雇用機会均等法が制定され、以来、男女平等を期するための様々な仕組みが広がった。
この頃、女性の社会的地位の向上(Women's empowerment)を強く訴える内容から、アメリカにおけるウーマン・リブ運動の讃歌となったのが、9月29日に他界したヘレン・レディ(Helen Reddy, 1941-2020)の「I Am Woman(私は女)」(1971)だった。
オーストラリア出身者で初めて全米一位を獲得した。
一方、これに前後して、絶頂期に「完全引退」というもうひとつの明確な形で家庭に入り、以後、一切カムバックしないのが山口百恵。
その百恵が、最後に白いマイクをステージにおいて静かに消えていった伝説のラスト・コンサートが開かれたのが、ちょうど40年前の1980年10月5日だった(全く関係ないが、10月5日はスティーブ・ジョブズの命日でもある)。
今日、デジタル修復を加えた40年ぶりの再放送を見て、この間、女性の生き方がどう変わってきたのかを考えると感慨深いものがある。
それにしても、安倍内閣の女性活躍推進政策は掛け声ばかりで一向に成果を得られない眉唾物だったが、そんな中で起こるべくして起こった杉田水脈議員の「女性はいくらでもうそをつく」発言。なんと無様な女性の生き方かと改めて思う。
Evergreen Music通算1329曲目はそんなヘレンのこの曲、そして昭和 listen通算99曲目は、この花が今満開であることに因み百恵のこの曲を。
♬ I Am Woman/Helen Reddy
https://www.youtube.com/watch?v=rptW7zOPX2E
♬ 曼珠沙華/山口百恵
https://www.youtube.com/watch?v=O3p96LPoI9g
毒舌亭(2020.10.7up) |