【常緑音楽館便り】#1243 私には夢がある
先日、国連気候行動サミットでのスウェーデン人の環境保護活動家、Greta Ernman Thunberg(グレタ・トゥーンベリ)さん(16歳)のスピーチが話題になったが、それに先立つ2014年、史上最年少でノーベル平和賞を受賞したMalālah Yūsafzay(マララ・ユスフザイ, 1997-)さんの受賞スピーチも思い出される。
ここでマララさんは、Mother Teresa(マザー・テレサ, 1910-1997)、Nelson Mandela(ネルソン・マンデラ, 1918-2013)、Muhammad Ali(モハメッド・アリ(カシアス・クレイ), 1942-2016)らとともに影響を受けた人の名としてMartin Luther King, Jr.(マルチン・ルーサー・キング, 1928-1968)を挙げていた。
以下に続くキング牧師の「I Have A Dream」は余りにも有名なフレーズ。言うだけ番長で中身の伴わない小泉進次郎クンには決して真似できない言葉だ。
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私には夢がある。それは、いつの日か、この国が立ち上がり、「すべての人間は平等に作られているということは、自明の真実であると考える」というこの国の信条を、真の意味で実現させるという夢である。
私には夢がある。それは、いつの日か、ジョージア州の赤土の丘で、かつての奴隷の息子たちとかつての奴隷所有者の息子たちが、兄弟として同じテーブルにつくという夢である。
私には夢がある。それは、いつの日か、不正と抑圧の炎熱で焼けつかんばかりのミシシッピ州でさえ、自由と正義のオアシスに変身するという夢である。
私には夢がある。それは、いつの日か、私の4人の幼い子どもたちが、肌の色によってではなく、人格そのものによって評価される国に住むという夢である。
今日、私には夢がある。
私には夢がある。それは、邪悪な人種差別主義者たちのいる、州権優位や連邦法実施拒否を主張する州知事のいるアラバマ州でさえも、いつの日か、そのアラバマでさえ、黒人の少年少女が白人の少年少女と兄弟姉妹として手をつなげるようになるという夢である。
今日、私には夢がある。
私には夢がある。それは、いつの日か、あらゆる谷が高められ、あらゆる丘と山は低められ、でこぼこした所は平らにならされ、曲がった道がまっすぐにされ、そして神の栄光が啓示され、生きとし生けるものがその栄光を共に見ることになるという夢である。
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閑話休題。
Evergreen Music通算1243曲目は「夢」に因んで、この曲を。
1940年代のジャズ・コーラスといえば、Tommy Dorsey(トミー・ドーシー)楽団専属コーラスのThe Pied Pipers(パイド・パイパーズ, 1938年結成)。
当初8人でスタートしたメンバーには、ソロ歌手となる前のJo Stafford(ジョー・スタッフォード, 1917-2008)もいて、Frank Sinatra(フランク・シナトラ, 1915-1998)のバック・コーラスとしてもたくさん歌ったが、この曲は代表曲の一つ。
NHK「サラメシ」の「あの人が愛した昼メシ」コーナーのBGMになっている(今日は赤木春恵(1924-2018)さんだった)。
メンバーの出入りは度々で激しく変わっているが、グループとしてはなお現存しているというから驚かされる。たしか「The Platters(ザ・プラターズ)」も現存しているというから、「ネーム・バリュー」ってあの国では大事なんだね。
♬ Dream(1945)/The Pied Pipers
https://www.youtube.com/watch?v=8eFk8fMM8wU
毒舌亭(2019.10.13up) |