【常緑音楽館便り】#1215〜エンヤ「オリノコ川の流れ」
厳戒態勢が続く中、G20も漸く終了した。
議長としてホスト役を務めた日本のトップの方は、可もなく不可もなく、まして特に得点を稼ぐこともなく終始し、結局、各国にignoreされて立ち尽くす「ポスト」役に終わった感がある。
地球儀を俯瞰する「外遊」には熱心でも、本来の外交には無力であること(イラン仲介訪問を見よ。北方領土、拉致被害者を見よ)を各国首脳もとうに承知のこと故だったからだろう。
その点、国際交流にも大いに尽くされた平成の明仁天皇(現上皇)及び美智子皇后(現上皇后)の影響力は大きかったと感じる。
両陛下は平成の世だけでも17回、40カ国近く訪問された。
このうち2005(平成17)年には、ノルウェーを訪問の途中アイルランドに立ち寄り、同国の文化関係者約20人と約40分間懇談されている。
その中には、世界的ミュージシャン Enya(エンヤ, 1961-)、カラヤン指揮ベルリン・フィルの元首席フルート奏者 Sir James Galway,OBE(ジェームズ・ゴールウェイ, 1931-)氏らがいた。
特にエンヤは、ケルト音楽というアイルランドの伝統的な文脈の上で、テクノロジーを活かした作曲を行い、デジタル・マルチトラック・レコーダを駆使した多重コーラスが特徴的。私には、日本の「姫神」に似たスピリチュアルなものの存在を感じさせられる音楽だ。
なお、エンヤとの会合は、辻仁成と江國香織の小説『冷静と情熱のあいだ』の映画化に際し音楽を担当したエンヤの音楽を聴かれた美智子皇后のたっての希望だったらしい。
Evergreen Music通算1215曲目は、そのエンヤの最大のヒット曲(1988)を、オーケストラを交えたケルテック・ウーマンのライブで。
※ 曲名の「オリノコ・フロウ」とは、南米ベネズエラとコロンビアを流れる大河オリノコ川の流れを指す。
♬ Orinoco Flow/Celtic Woman(original Enya)
https://www.youtube.com/watch?v=X8qQstJB_JQ 毒舌亭(2019.7.19up) |