【常緑音楽館便り】#1188〜悪魔を憐れむ歌
Evergreen Music通算1188曲目はThe Rolling Stones。
当時恋人だったMarianne Faithfull(マリアンヌ・フェイスフル, 1946-)が薦めた小説「Мастер и Маргарита(巨匠とマルガリータ)」から着想を得て、Mick Jagger(ミック・ジャガー, 1943-)が1968年に作った楽曲。
「巨匠とマルガリータ」は、ウクライナ出身の劇作家、小説家 Михаил Булгаков(ミハイル・ブルガーコフ, 1891-1940)によって、スターリンの大粛清時代のソヴィエトの1930年代末に執筆された長編小説。
ソ連当局によって体制批判として受け止められて生前は出版できず、発行は死後26年も経った1966年だったという。
この曲は「悪魔崇拝の曲」だとバッシングを受け、ミックが否定していたが、カルトチック歌詞の中にゲーテの『ファウスト』の一節を引用したりするなど、私のような凡人にはなかなか真意が理解しにくい歌ではある。
ミックは、この曲を録音する直前にベトナム戦争反対デモに参加しているが、歌詞の中にケネディ兄弟の暗殺が出てきたりもしていることから、当時の政治情勢にも何か関連があるのかも知れない(例えば、政治を「悪魔の所業」とみているかのように)。
1990(平成2)年、Keith Richards(キース・リチャーズ, 1943-)のギターがすばらしい東京ドーム公演の白熱ライブで。
♬ Sympathy For The Devil(悪魔を憐れむ歌)/ The Rolling Stones(Live)
毒舌亭(2018.12.11up) |