【常緑名画座だより】 #067兼
【常緑音楽館だより】#1425〜第三の男
イギリスの情報誌「Time Out London」が2011年に発表したイギリス映画の歴代ベスト100(100 Best British Films)の第2位に輝いた映画は、1949年製作1952年日本公開の「The Third Man(邦題:第三の男)」だった。
第二次大戦後、米英仏ソによる四分割統治下にあったオーストリアの首都ウィーンを舞台とするサスペンス・ミステリーのモノクロ映画で、いわゆる「Film Noir(フィルム・ノワール:犯罪映画)」の一つだ。
監督はCarol Reed(キャロル・リード, 1906-1976)、主な出演者はJoseph Cotten(ジョセフ・コットン, 1905-1994)、Orson Welles(オーソン・ウェルズ, 1915-1985)、Alida Valli(アリダ・ヴァリ, 1921-2006)。 光と影を効果的に用いた映像美、戦争の影を背負った人々の姿を巧みに描いたプロットで高く評価された。

特にハリー・ライム役のオーソン・ウェルズの印象深い演技が強く記憶に残っている。
また、ハリー・ライムの葬儀を終えた恋人アンナがハリーの友人ホリーの前を無言で通り過ぎるラストシーンはカットなしで撮影されたもので、まるで写実派の画家が描いた絵のように美しく切ない、映画史に残るベスト・ショットだ。
Anton Karas(アントン・カラス, 1906-1985)のツィター演奏によるテーマ音楽も素晴らしい。
オーソン・ウェルズは、1941年のアメリカ映画「Citizen Kane(邦題:市民ケーン)」の監督・主演も務めており、こちらは世界映画史上のベストワンとして高く評価されているから、この男、実にただ者ではない。
Evergreen Motion Picture通算67本目 兼 Evergreen Music通算1425曲目は、その「第三の男」を。
🎥 The Third Man(第三の男)/ Trailer(予告編)
https://www.youtube.com/watch?v=o4o6ercZhU0
♬ The Third Man(第三の男)/ Anton Karas(アントン・カラス)
https://www.youtube.com/watch?v=HC1R3bnWyTE
なお、この映画の著作権は、著作者の死後70年が経過していることから既に消滅し、現在ではいわゆる「パブリックドメイン(PD)」(著作権フリー)となっており、DVDが550円という安価で買い求めることができる(4Kデジタル修復版 DVDは1600円程度、4Kデジタル修復版Blu-rayは4200円程度)。
話は変わるが、兵庫県知事問題。NHK党立花孝志反社尊師(元パチプロ, 1967-)への情報漏洩問題で維新の岸口実県議(百条委員会副委員長, 1964-)と増山誠県議(同理事, 1978-)が文書、音声流出への関与を指摘されこれを認めたばかりなのに、今日になって更に維新の白井孝明県議(1983-)が「第三の男」として関与を指摘され、あの橋ゲにまで解散しろと言われて維新は大混乱だよ皆の衆。
映画の方の「第三の男」は紛れもなく天下一品の名画だったが、維新の「第三の男」の方は、四流の田舎芝居といっても良い代物だ。おかし過ぎて、お茶が臍を沸かす。「お漏らし3兄弟」とのネーミングもされているらしい。
毒舌亭(2025.2.26up)
    
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