【昭和 listen】#225〜禁区とは立ち入り禁止区域のこと
作詞家の売野雅勇さんは、中国に行ったとき町中で「禁区」という張り紙を見つけて後々この語を使いたいとメモしてきたという。
「禁区」とは「立ち入り禁止区域」の意。
昭和58年、売野さんはこの語をタイトルとする曲を作詞し、これにYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)の細野晴臣さんがメロディーを付して世に送り出した。それがこの曲、「禁区」である。
82年組アイドル勢が激しくしのぎを削る世界にあって、唯一明菜がアイドルの枠を破りアーティスト、表現者へと歩を進めることになった記念碑的作品だ。
ところで、2020 TOKYOオリパラに絡んで、東京地検が組織委の高橋元理事を受託収賄罪で4回目の起訴を行ったのだが、新聞各紙はなぜか「捜査終結」との見出しで報じている。
一時あれだけ騒がれたあの「政界の大物」や「元皇族関係のあの人」のことは全く触れていない。いぶかる人が大勢いるに違いない。
しかし、歴年、角さんの田中派(経世会)はじめ他の派閥の汚職・疑獄事件には容赦なくメスを入れてきた地検特捜が清和会(安倍派)に手を付けることはこれまで一切なかったという歴史をよくよく振り返ってみれば、予想どおりの展開というほかない。モリカケサクラでことごとく不起訴としたのを見ても明らかだ。
もともと特捜と清和会は根っこ(出自)が同じで親和性が高く、清和会は特捜にとってまさに聖域でありアンタッチャブル・ゾーンであり「禁区」なのだと理解すれば物事はすこぶるシンプルなのだ。
検察にとって、「秋霜烈日」などという言葉は、対清和会に関する限り死語になり果てているのだ。
瀬戸際壺志郎大臣問題や話にならない歯無法相の失言に加え、これでまた岸田内閣の支持率は下がるだろう。
さて、今年の紅白、明菜は出るのか出ないのか。
雅子皇后と同じ病で体調が不安定だから、ギリギリまで分からない。
♬ 禁区 / 中森明菜
毒舌亭(2022.11.16up) |