【昭和 listen】#224〜ひとり寝の子守唄
先日FB友の方(高校の後輩)の投稿の中に「藤本敏夫」について述べているものがあり、藤本とその相方の加藤登紀子、そして加藤の持ち歌「ひとり寝の子守唄」のことをふいに思い出した。
「ひとり寝の子守唄」ができた日は昭和44年3月12日。東京に大雪が降り,一切の交通がストップした日だった。
前年11月に国際反戦デー防衛庁抗議行動参加を理由に逮捕され、翌45年6月まで巣鴨の東京拘置所に拘留中だった反帝全学連委員長の藤本敏夫(同志社大学生)が、当時付き合っていた加藤登紀子に獄中から届けられた葉書にこう書いてあった。
「ぼくの唯一の友達は、朝トイレの蓋を開けると顔を出すネズミくんだ」
葉書をしげしげと眺め、一人の時間をもてあました加藤がケースからギターを取り出してなんとなく弾いて創り上げたのが「「ひとり寝の子守唄」だった。 〜加藤登紀子「加藤登紀子の百歌百話」より
その体験が歌詞の中に
〽 ひとりで寝る時にゃよォー 天井のねずみが歌ってくれるだろう いっしょに歌えよ と折り込まれている。
藤本はその後、昭和47年4月に公務執行妨害・凶器準備集合などで実刑判決を受け、中野刑務所に収監、翌5月藤本と加藤が獄中結婚したことは、後生余りにも有名な話だ。
藤本は平成14年に他界、78歳の加藤はなおバリバリの現役として頑張っている。
たかが歌、されど歌。歌には歴史や秘話が込められている。
昭和 listen 通算224曲目。
♬ ひとり寝の子守唄 / 加藤登紀子
毒舌亭(2022.11.9up) |