【昭和 listen】#218〜死んだ男の残したものは
ベトナム戦争のさなかに谷川俊太郎の作詞、武満徹の作曲により作られた反戦歌。
シューベルト『野ばら』、滝廉太郎『荒城の月』などと同じ6節の有節歌曲。
高石友也、小室等、カルメン・マキ、倍賞千恵子、石川セリ、長谷川きよしら多くの歌手に歌われた。
wikipediaでは昭和40年の作とあるが、武満自身は「1960年(昭和35年)の安保集会のために書いた」という。
歌詞に注目すると、3番まで「残さなかった」といっていたのが、4番では「残せなかった」に変わっている。
戦という流れに否応なく飲み込まれていった名もない男の悔しさ、怒りが、たった一文字の違いから伝わってくる一方、5番、6番の歌詞からは明日への希望が語られているところに、単なる反戦歌を超えたこの曲のすばらしさがある。
さて私は、いざその時が来たら何かを残せているだろうか? そして昨日まで生きた彼は、いったい何を残したのだろうか? メディアでは絶賛の文字ばかりが躍っている。。。
昭和 listen 通算218曲目は、透明感にあふれ、心に染み入るような本田路津子の歌声で。
♬ 死んだ男の残したものは / 本田路津子
https://www.youtube.com/watch?v=PaXN4dH-zuk
毒舌亭(2022.7.13up) |