【常緑名画座だより】#0061 兼
【常緑音楽館だより】#1366〜シンドラーのリスト
ウクライナ問題に関連し、このところ戦争映画を採り上げている。
今日のEvergreen Motion Pictureは、ナチスドイツによるユダヤ人の組織的大量虐殺(ホロコースト)が進む中、1100人以上ものポーランド系ユダヤ人を自身が経営する軍需工場に必要な生産力だという名目で絶滅収容所送りを阻止し、その命を救ったオスカー・シンドラーの実話を元に製作された「Schindler's List(邦題:シンドラーのリスト, 1993)」。
監督は、「Jaws(ジョーズ, 1975)」、「Close Encounters of the Third Kind(未知との遭遇, 1977)」、「Indiana Jones(インディ・ジョーンズ)シリーズ(1981-1989)、E.T.(1982)、Jurassic Park(ジュラシック・パーク)シリーズ, 1993-1997)、最新作West Side Story(ウエスト・サイド・ストーリー, 2021)のSteven Spielberg(スティーヴン・スピルバーグ, 1946-)。
主演は『Michael Collins(マイケル・コリンズ,1996)』や『Star Wars: Episode I – The Phantom Menace(スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス, 1999)』で主演を務めたLiam Neeson(リーアム・ニーソン, 1952-)。映画史に残る感動的な名作の一つだ。
日本人の類例に在リトアニアの外交官で「命のビザ」を発行した杉原千畝がいることは余りにも有名だ。
第66回アカデミー賞で最優秀作品賞、監督賞など7部門で受賞。第28回全米批評家協会賞作品賞、監督賞など4部門、第59回NY批評家協会賞作品賞など3部門、第19回LA批評家協会賞、作品賞など3部門、第51回 ゴールデン・グローブ賞作品賞、監督賞、脚本賞、第47回 英国アカデミー賞作品賞、監督賞など7部門、第18回 日本アカデミー賞外国作品賞など主要映画賞を総なめにしている。
また、今日のEvergreen Musicはそのテーマ曲。
作曲は「Star Wars(スターウォーズ)シリーズ」をはじめ、上記スピルバーグの一連の作品のテーマ曲を作ったJohn Williams(ジョン・ウィリアムズ, 1932-)。
演奏のNL Orchestraは子細が不明だが、どうやらオランダのNetherlands Philharmonic Orchestraのことらしい。
流麗に流れていく静かな旋律の中で、バイオリンのSimone Lamsma(シモーネ・ラムスマ)は、シンドラーの揺れる心境を表現し、イングリッシュ・ホルンのDavida Scheffers(ダヴィダ・シェファーズ)は、顔面リウマチと診断され演奏家としてのキャリアを断念する危機を克服してこのステージに立ち、作品の時代背景や景色をセピアな表情で表している。
自身のパートを終え、人目憚らず涙するDavidaだが、時々映り込む客席の金髪女性はDavidaの娘らしく、しかも演奏した日が誕生日だったそうだ。
娘に母の演奏家としての晴れ舞台を見せたい、それも誕生日のプレゼントとして。母の想いが観る者の涙腺を崩壊させる。
聴けば希望の光と底無しの暗闇が交差するような感覚に陥り、心が掻き乱されような思いに駆られる名曲だ。
🎥 Schindler's List 25th Anniversary Official Trailer(予告編)
https://www.youtube.com/watch?v=mxphAlJID9U
♬ Schindler's list (John Williams) / Simone Lamsma (violin) - Davida Scheffers(cor anglais / コーラングレ(イングリッシュ・ホルン) with NL orchestra
https://www.youtube.com/watch?v=YqVRcFQagtI
毒舌亭(2022.3.23up) |