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 NO-332 恋のジプシー
毒舌亭Presents
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【常緑音楽館だより】#1357〜恋のジプシー

 東欧を旅したとき、ジプシーの物売りから土産品の購入を強硬に迫られ、ほとほと閉口した経験がある。

 ジプシー(Gypsy)とは、もともとは「エジプシャン」から派生した言葉らしいが、欧州で生活している移動型民族を指す。

 ドイツ語ではZigeuner(ツィゴイナー)という。

 よく知られるサラサーテ作曲のヴァイオリン独奏曲「Zigeunerweisen(ツィゴイネルワイゼン)」は「ジプシー(ロマ)の旋律」という意味だ。

 日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した同名の邦画(鈴木清順監督、原田芳雄主演)もあった。

 日本では近年、この用語は差別語だとして、彼らが自称する「Roma(ロマ)」という用語が使われる傾向にあるそうだが、正直、イマイチ差別語とは実感できない自分がいる。

 現に音楽でも、
○ 中森明菜「ジプシー・クイーン」
○ Cher(シェール)「Gypsies, Tramps And Thieves(悲しきジプシー)」
○ 一青窈「悲しみジプシー」
○ Alfred Hause(アウフレッド・ハウゼ)「Du Schwarzer Zigeuner / 黒い瞳のジプシー」
○ 淡谷のり子「ジプシーの嘆き」
○ 児島未散「ジプシー」
○ 山崎ハコ「ジプシーローズ」
○ Antonín Dvořák(ドヴォルザーク)歌曲集「Cigánské melodie(ジプシーの歌 )」Op.55, B.104
○ Georges Bizet(ビゼー)「ジプシーの踊り」「ジプシーの歌」(in オペラ「カルメン」 ※ドン・ホセを誘惑するカルメン自身がジプシーの女工)
などがあるし、
○ Gipsy Kingsというフランスのバンドさえある。

 Evergreen Music通算1357曲目は、イタリアの女性歌手Nada(ナーダ, 1953-)の「恋のジプシー」。

 もともとは1971年のサンレモ音楽祭で、ベテラン歌手 Nicola Di Bari(ニコラ・ディ・バリ,1940-)と一緒に歌って優勝した曲だ。

 自由な心をジプシーに例えて、恋に捕らえられた不自由な心の痛みを歌っている。

 ♬ Il Cuore E' Uno Zingaro(恋のジプシー)/ Nada

毒舌亭(2021.12.1up)


♬ Il Cuore E' Uno Zingaro(恋のジプシー)/ Nada

 

 

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