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 Photo by 大和伸一「震災被災地相馬」

   その6 役目を全うして

「避約束通り2人を送り届け、いつも通り夕方の散歩に出たんだと思う。

 見つかった母の顔は笑っているようだった。

 富岡町のように田んぼが広がる景色の中を散歩できてうれしかったんだと思う。」

※富岡町から福島県内を五箇所、漂流避難を余儀なくされた一家が最後に移動したのは新潟県田上町の避難所。自らが認知症であった母親は、独り歩きができない難聴の妹とその幼い娘の杖となって一緒に出かけた後、雪の林道で行き倒れとなって発見された。靴は履いていなかった。

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