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2025年のランキングは作れなかったので、最近読んだ本たちの中から、
忘れないでいたい文章たちを備忘録として。
◆『彼女たちの楽園』町田その子
新興宗教が根付きそうになっている町で奮闘する女子高生3人の物語。
便利屋ビビが『コンビニ兄弟』にも出てきた気がするので、こっちも読み返したい。
「私だっていずれ自分の考えや甘えをあなたたちに押し付けるかもしれない。あなたたちの考えに反発して呆れて、喧嘩することもあるのかもしれない。でもそれを乗り越えてでも仲良くし続けたいなあと思うわ。やっと会えたんだもの。」
◆『気の毒ばたらき』宮部みゆき
宮部みゆきは、私には、どんなに残酷な話も、客観的に見せてくれるように感じます。
『茂七の親分』シリーズから始まって、政五郎親分、そして今のきたさんシリーズ。
おでこさんが出てきた時は、声を上げそうになりました。嬉しかった。
「滑らかに世渡りするには、辛抱が肝心だという意味でござんすよ。」
「この世にはこんなに書物があって、文字があって、おいらのおつむりじゃ追っつかぬほどの知恵が溢れているのだろうに、それでもままならぬことがあるのは、どうしてなんだ。」
◆『婿どの相逢席』西篠奈加
女将が強い女系家族の料理屋の若旦那が主人公。
「小さい頃の悋気の虫が、顔を出したんだ。」
「頭では割り切っていても、気持ちだけはどうにもならない。日常の不満というものは、実に小さい。日々、ちくちくとささくれが痛むようなもので、しかし無理に剥がそうとすると、血が出ることもある。 知らぬ間に溜め込んでいた不満や鬱憤が、ここぞとばかりにいちどきに弾ける。」
◆『神様のカルテ 新章』夏川草介
神様のカルテは、ずっと好きですね。
「全力で対応するという彼の態度は基本的には間違ってはいない。間違っていないことが、しかし適用しない世界というものが確かにある。」
「世の中は難しいことが多い。だがだからといって 君が難しくなっていいわけではない。どんな理由を述べたところで、嘘と卑怯と小細工は恥ずかしいことだ。」
「目の前のできることに力を尽くせ。後悔しねえようにな。万が一がんばりすぎて参った時は、いつでも顔を出せ。教えてやれることは何もねえが、酒の一杯くらいは付き合ってやる。」
◆『最後の晩ごはん 後輩とあんかけ焼きそば』椹野道流
ロイドみたいな付喪神が近くにいたらなあ!といっつも思う。
人間の機微を分かってくれて、支えてくれて、客観的に言ってくれて、ずっと話を聞いてくれて、でも人間じゃない、みたいな。
「いかほど後で悔やもうとも、起こってしまったことはどうにもなりません。二度と同じ過ちを繰り返さないためにも反省することは大切ですが、過ちを、ご自分を痛めつけるためだけの道具にしてはなりません。」
「そやから、自分の我が儘でええんや。ほんで、自分の我が儘には、己が責任を持つんや。」
◆「おいちシリーズ」あさのあつこ
「人は人に支えられ、励まされ、救われる。そっと差し伸べられた手や言葉に縋って、立ち上がる。だから、今、目の前にある握り飯がどれほどの力になるかわかっている。ただ・・・。人は人を支えきれない。それもまた、事実だ。周りの善意だけでは、おつてたちを支えきれない。その日暮らしの人たちには、他人を支え続ける余力などない。」
(配信:2026.4.23 ちぃな) To be continued⇒
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