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 第461話「2023myランキング」




by ちぃな ちぃな
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 2023myランキング

ちぃな 自分の覚書に読書メーターで記録するようになってから、年間150冊以上読んでたようですが、2023年はなかなか出会いがなく、70冊ほどでした。

 まあ、年間150冊って、本読むしか無かったのかな、とも思いますが。

◆1位『キングダム70巻』

 自分の中でコミックは読書にカウントしませんが、ランキング1位に入れたくて。
 節目の巻なのでしょうか、神巻でした。
 69巻も号泣もんでしたが、今回は感涙しっぱなし。

 

 性善説・性悪説を説く韓非子に「人の本質とは何だ」と問われ、信が「人の本質は火だ」と答える。
 死んだ仲間の思いも、倒した敵将の思いも全部背負って自分の思いの火を大きくしてきた信だから言えること。
 突然聞かれて戸惑う信に、感じるままに話せばいい、お前は十分に経験してきた、と騰が声をかける。
 騰の信頼を得ていることも嬉しかった。
 韓非子と李斯、敵国の法家同士の幼い頃からの友情にも泣かされました。

◆2位『くもをさがす』

 直木賞作家西加奈子さんのエッセイ。
 雲かと思ってたら蜘手だった。

 

 カナダで乳がんになった著者の日記ですが、西加奈子、やはりとてもかっこいい。
「自分がこの体で、圧倒的な弱さと共に生きていることに、目を見張った。」
「あなたの自由や、対等であることや、自信の感覚が。」
「わたしのさびしさはわたしのものよ」
「あなたの体のボスは、あなたやねんから」

◆3位『三島屋変調百物語』

 宮部みゆきの少しずつ話が進んでいく百物語集。
 やっと6冊目。

 

 宮部みゆきさんの文章はとにかく沁みる。
「寂しがってもいい。悲しんでもいい。悔しがってもいい。でも、だらしなくめそめそしてはいけませんよ、お嬢さん。」
「人は語る。語り得る。善いことも悪いことも。悲しいことも辛いことも。正しいことも。過ちも。」
「でもね、毎日いがみ合って暮らすのも辛いでしょう。だからみんな、憎いの気に入らないの鬱陶しいのと言いながらも、何とか折り合って、譲り合って、諦め合って、しまいには許し合っていくんです。」

◆4位『星影さやかに』

 戦前から戦後まで、息子、姑、嫁、夫、それぞれの立場から語られる。

 

 昭和初期、嫁いだばかりで地域に慣れない嫁を嘲り罵る集落の男たちの前に立ちはだかって「控えろ、下郎っ!」と叫んだ武家生まれのお姑さんがかっこ良すぎる。
 孫の目には母に意地悪で厳しすぎる祖母として写っていたけど、誰よりも家族を守ろうとしたお姑さんでした。

 私にとっては本を読むことは、浄化に近い。
 なかなかありませんが、自分では言語化できない色々と、本の中で文章として出会えると感激して、目から鱗。

 今年も素敵な本、素敵な文章と出会える事を願って。

(配信:2024.1.18 ちぃなちぃな)  To be continued⇒

   

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