今日2月25日の福島民報新聞にとてもいい記事を見つけました。
「命をつなぐ骨髄移植」というタイトルのその記事は、間もなく骨髄液を提供する女性を通して骨髄移植の現状に迫ったものでした。
「これで患者さんは前処置に入ります。正常な骨髄細胞も破壊されるので、抵抗力がほとんどなくなります。同意の撤回は患者さんの死を意味します。」
昨年11月に「骨髄提供に関する同意書」に署名した女性ドナーは、医師からそのように告げられたのです。
なるほどそういうものなんですね…。
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骨髄バンク |
考えてみれば当然のことでしょうが、”その時”を待ち続ける時間というものはどんな気持ちなのでしょう。
人間一人の命を預かる…
何かのミスやトラブルでその時その場へ辿り着けなければ、自分のせいで死んでしまう。
僕は懸命に想像しようと思いましたが、あまりの「重さ」に途中で断念しました。
しかし彼女は、自分の骨髄が誰かの助けになることを10年以上も待ち続けていたのです。
平成11年に骨髄バンクに登録。
これまで三度、ドナー候補に上がったものの、患者の病状の変化などでいずれも実現せず、今回が4度目のチャンスでした。
移植の相手は60代の男性。
性別と年代、住む地域しか明かされないため、もちろん一切の面識もない相手。
何故にそうまでして?
彼女はドナー登録だけでなく、仲間たちと一緒に骨髄バンクの普及活動を続けて来ました。
そんな仲間であった一人の女性が、昨年2月乳がんで亡くなっていたのです。
「彼女の分まで生きてほしい」
友の無念を晴らすことが彼女の願いになったのです。
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骨髄バンク |
全国の骨髄提供ドナーの登録数は、平成18年をピークに減少が続いているそうです。
特に若年者のドナー登録が伸び悩んでいるとのこと。
また、登録はしていても、実際に骨髄移植をするためには入院期間が5日程度必要になることがハードルになっているとも。
おそらく、そういう事実だけを記事に著わしても、大して目に留まるものにはならなかったはずです。
そういう意味で、この記事は深く心に沁みいるものがありました…。
骨髄提供を前にして仲間たちが居酒屋に集まり、彼女に赤い花束と励ましの言葉が送られました。
「60歳代なら孫がいるはず。孫をもう一度抱っこさせてやりたいね」
《配信:2010.2.26》
葉羽 この記事の女性の骨髄移植が成功することをお祈りします。 |