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 その163 青い山脈 Blue Lidge Mountains

「モーニングコーヒー」Benchi time

 ♪青い山脈 雪割り桜~ 空のはて きょうもわれらの 夢を呼ぶ~♪

 まだ幼かった頃によく聞いた曲で、今も覚えているのはこの「青い山脈」と「リンゴ追分」です。

 「青い山脈」は、石坂洋次郎原作の映画『青い山脈』の主題歌として1949年に発表された曲で、藤山一郎の歌唱が耳に残る。

  映画『青い山脈』(1949年)

 この曲を日本の代表的な歌謡曲に推す考え方は一般的なようで、1989年に放送されたNHK『昭和の歌・心に残る歌200』で一位を獲得した。

葉羽歌手の藤山一郎と作曲者の服部良一は共に国民栄誉賞を受賞した。

 ところで、なぜ山が「青い」のだろう?

 作曲者の服部良一は、『ぼくの音楽人生』という著書の中で「梅田から省線に乗って京都に向かう途中のこと、日本晴のはるか彼方にくっきりと描く六甲山脈の連峰をながめているうちににわかに曲想がわいてきた」と書いている。

 ということで、六甲山脈の景色がコチラ・・

  六甲山脈

 うん、確かに青く見える。「山は緑」と思いがちだが、遠目に見るとこのように「青く見える」場合もあるようだ。

 もちろん、気候条件や空気の状態にも関わって来るのだろう。

 ところで、「常に青く見える」というので有名な山脈が世界には存在する。

 その名も「ブルーリッジ山脈」。アメリカ合衆国東部をジョージア州からペンシルベニア州にかけて走る山脈だ。(アパラチア山脈の一部)

 その美しい姿がコチラ(遠目に見える方)・・

 そもそも、「遠目に観ると青く見える」ことから、この「ブルーリッジ山脈」の名が付けられたという。

  ブルーリッジ山脈

  ブルーリッジ山脈

  ブルーリッジ山脈

 こんなに青々と見えるのは何故なのか?

 これは、オークやアスペンなどの針葉樹から放出される揮発性有機化合物のイソプレン (isoprene)という物資が、ブルーリッジ山脈独特の青いモヤを形成しているのが理由だ。

 イソプレンの粒子は極めて小さいため、太陽光が「散乱」して青色の波長だけが人間の目に入る・・「空が青く見える」のと同じ現象で、大元は太陽光なのである。

 なので、夕暮れ時など、太陽光自体が大気の散乱で茜色に染まれば、ブルーリッジ山脈自体も別な表情を見せてくれる。

  それでも青っぽい・・かな(笑)

 日本の森林は、林業振興のために杉などの針葉樹が植えられていることもあり、「山が青く見える」現象は珍しくない。

 六甲山脈もそうであるし、さらに有名なところでは、多くの「富士山画」も青く描かれていて違和感がない。

  作:丸山清人/伝説の銭湯画絵師

 なお、ジョン・デンバーが歌った『カントリーロード』(Take Me Home Country Roads)の冒頭にもブルーリッジ山脈が登場している。

『Take Me Home Country Roads』(John Denver)

 Almost Heaven, West Virginia

 Blue Ridge Mountains, Shenandoe River

 Life is old there, older than the trees

 Yonger than the mountain

 Growing like a breeze

  John Denver

 だが実際には、ブルーリッジ山脈はウエストバージニア州まではかかっていない(笑)

 《配信:2025.3.24》

葉羽MSNの「世界最古の山の驚くべき歴史」の記事に着想を得て調べました。

 

 

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