究極の洞窟について調べてみると・・?

洞窟にまつわる物語は数多くある。
日本の国つくり神話では洞窟が黄泉の国への入口とされたし、戊辰戦争では会津白虎隊が戦地の猪苗代から鶴ヶ城に戻る際、飯盛山の「戸ノ口堰洞穴」を抜けた話などが伝わる。
戸ノ口堰洞穴
そこで考えた・・ならば地球上で最も大きな洞窟、あるいは最も古い洞窟はどこだろうと?
ということで、まずは「地球上で最大の洞窟」から。
それは、ベトナムの世界遺産公園「フォンニャ・ケバン国立公園」にある『ソンドン洞窟』で全長が7キロメートル、最高部分の洞窟内の高さは240メートルに及ぶという。
をを~ コレは巨大だ! 探査隊のテントや人が豆粒のように見える。
実はこの洞窟が発見されたのは2009年とごく最近の話。最も近い集落からも歩いて6時間かかる場所にある。
周囲は常に霧が立ち込め、洞窟の中から響いて来る地底河川や強風の轟音のため「神聖な場所」として誰も近寄らなかったのだ。

240メートルと東京の丸ビルがスッポリ入るほどの高さが1キロメートルに渡って延々と続いている。
そして、ところどころに天井が崩落した場所があり、そこから見上げる夜空の星はまさに絶景だ。

次は、地球上で最も古い洞窟。それは南アフリカの『スドワラ洞窟』だ。
「2億4千万年前からある洞窟の一つ」とされ(他にもあるのか?)、かつてここを住処にしていた部族民は、天然の泉から湧き出る水を飲めば「永遠の命」を得ることができると信じていた。

さらに180万年前、ヒトの祖先であるホモ・ハビリスもこの洞窟の一画で暮らしていたことが明らかになっており、彼らの作った「道具」なども展示されている。
そう・・この洞窟は現在、南アフリカ共和国の「観光名所」として整備されているのだ。

洞窟内で土産物売ってるし!(↑)
続いて、地球上で最も深い洞窟。それがジョージアにあるクルベラ洞窟だ。(※この件は複数の異説あり)
ジョージアはかつて「グルジア」と呼ばれたコーカサス地方の国で、ウクライナの前にロシアの侵攻を受け、現在はロシア軍が駐留するとともに親ロシア政権が統治している。
また、洞窟が位置するアブハジアは、ジョージアからの分離独立運動が展開されており政治的には複雑な背景がある地域だ。

さて、その『クルベラ洞窟』だが、現在確認されている最深部は2,196メートルの場所で、地上からそこまで到達するのに27日間を要する。
クルベラ洞窟の地底湖/2009年撮影
最深部は地底湖となっており、さらにその先までは確認されていない。
そして次は、「美しすぎる洞窟」と呼ばれるチリとアルゼンチンの国境地帯にある『マーブルカテドラル』。
この洞窟は、マグマから生まれた大理石が長い年月をかけて氷河に削り出されて形成されたもの。
地上から差し込む光で洞窟内が青く見えるのは、細かな大理石の欠片による。

洞窟は、チリ・アルゼンチン国境の「ヘネラル・カレーラ湖」にあるため、ここへは船で行くしかない。
次は、「世にも珍しい洞窟」について三連発。
まずは、最もデンジャラスな洞窟、アイスランドの『スリーニューカギーグル』。
アイスランドと言えば、現在、全土で火山活動が活発化し、街の近くまで溶岩流が迫っていることが話題だが、この『スリーニューカギーグル』は何と火山の中に入り、地底のマグマだまりを見に行く「観光ルート」のある洞窟。
いかにもアイスランドらしい観光名所だが、本当に大丈夫なのだろうか?
そして次は、「恐竜の足跡が『天井』にある」というフランスの『カステルブック洞窟』。
どうしてこんなものが出来たかと言うと、恐竜の歩いた跡が化石化し、後からその地盤の下が地質学的変動で崩落し、表面の足跡だけが取り残されたそうだ。
だけどコレって本当なのかなぁ? ・・とにかく、世にも不思議な洞窟だ。
そして三つ目が、『マーブルカテドラル』とは別の意味で美しすぎる洞窟。それが、ニュージーランドにある『ワイトモ洞窟』だ。
何が美しいかと言えば、洞窟そのものではなく、そこに棲む生物が作り出す風景だ。
え? ええええ~? 何コレ!?・・と声をあげるのは必至。
これは「アラクノカンパ・ルミノーサ」と言う”ツチボタル”の一種が放つ燭光だ。
ホタルの仲間ではなく他の小さな昆虫を食べる蠅の一種「肉食真菌ブヨ」の幼虫が発光しているのだ。ん・・美しいと言うより怖ろしくなってきたぞ。
なお、このワイトモ洞窟は『天空の城ラピュタ』の”飛行石の洞窟”のモデルになったという説も。
ということで、今回のラストはメキシコのナイカ鉱山にある、巨大クリスタルに覆われた洞窟・・その名も『クリスタルの洞窟』。(そのまんまや!)
全長27m、幅9mと小さな洞窟だが、そこを埋め尽くすクリスタル柱の大きさが尋常ではない。
2000年4月、サンチェス兄弟によって発見された洞窟だが、中には地球上で最大の天然クリスタル柱があることが分かり、保護のために埋め戻され、ペニョーレス社が厳重に管理している。
かつては、盗掘を図ってクリスタルに損傷を与えた悪者も捕まっている。うむむ・・盗人の種は世に尽きまじ。
《配信:2025.1.12》

「GIZMOOD」のサイトなどを参考に。
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