カットアウェイ・アートとは何ぞや?
まず最初に、こちらをご覧いただきたい。
ん? コレはいったい何なのか?
天蓋の向こうに透けて見える、とても美しい星空の写真・・そう見えますよね?
実はコレ、銀座蔦屋書店で展示された「旅先で出会う、どこか心惹かれる景色」をテーマにした切り絵作家斉藤洋樹氏の9枚の作品の一つ「向」。
はい・・「写真」ではなくて「切り絵」なのです。何と美しい!!
このジャンル、最近では「カットアウェイ・ア-ト」と呼ばれることも。
次はコチラ・・
斉藤氏がこれをツイッターにアップした時に寄せられたリプライは・・
「ハイハイ、また色鉛筆で描いた写真風な絵ですか上手い上手い、と思っていたら切り絵だとは!!」
と、たちまち注目を集め、あっという間に「いいね」が9.2万件に。
本人がツイートしています。
「#大事な事なので5回言います、切り絵です、切り絵です、切り絵です、切り絵です、切り絵です」
いやいや、言われなければ到底分からない。それほどに美し過ぎる水面のきらめき、ビルの佇まい。
さらに、こんな作品も・・
この「奥行き」! ・・とても切り絵には見えない。
立体感を出すために花の大きさ、微妙な色替えを施したと言うが、この花びらの一枚一枚、いったいどれだけ時間がかかったものか。
斉藤氏が、切り絵作家として活動を初めてから2023年で足掛け9年目。
長野市在住の彼が最初に切り絵にふれたのは高校の授業でのこと。その後、独学で修行し、完成させたのが次の作品。
はい、確かに「切り絵」ですね。
これは、彼が住む長野市の善光寺仲見世通りを表現したもの。いかにも切り絵としてよく見かける作風ですが、空を紫のグラデ―ションにした辺りに非凡なものを感じる。
そこからひたすら修行を進め、彼独特の精緻な表現技術を極めて、現在のカットアウェイ・アートに昇華したのです。
「今度はこんな感じのものを是非」として上げられた制作写真。
何と精緻な!!
少しでも指先を誤れば、切れてしまいそうな試作品。いやいや、これ自体で立派なアートではないでしょうか?
で、その延長上で・・
何とも凄すぎる。
斉藤氏は「貴方の強みは?」と訊かれた野に対し・・
「同じ切り絵やってる人でもやりたくないって言われるようなカッティングを永遠続けられます 現実の世界を切り取ったような切り絵作品を切れます 単にリアルだけではない切り絵作品を制作できます」と。
はたまた「快感を覚える瞬間は?」に対して・・
「切り絵制作中にやっべー終わんねぇどうするのこれってなるとき」
完成した時じゃないんだ!? ・・面白い。
で、切り絵の楽しみ方は色々あるようで、「#第一回切り絵を光に透かす大会」というハッシュタグで投稿された『動画』からの切り取り。
何ですか、コレは??
しかし、指がこの一枚をつまみ上げて、背景の光にかざすと・・
をををを~ これは最早イリュージョン!!!
どうすれば、こんな立体感が生み出されるのか、まったく理解が及ばない。
もう、目が慣れてしまって、大抵の事では驚かない。
そんな斉藤氏の制作風景がコチラ・・
うん、フツーの人なんだ(笑)
それでは最後に駆け足で何枚か。
まず「水面の表現が得意」という彼の作品。
満天の星空を背景にしたロマンチックな作品。
現実の風景を・・
作品に活写した次の作品。
ファンタスティック!!!
《配信:2023.1.31》
葉羽 日本中を巡回して彼の作品展示会が開催されています。 |