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 その102 砂のラビリンス
「モーニングコーヒー」Benchi time

 一度は行ってみたい…。

 以前、NAVIGATIONのバナー写真に「ザ・ウェーブ」を使ったことがありました。

 ウェーブと言ってもこれではありませんよ↓

 

 そうそう、コレコレ!↓

 

 どうです、迫力があるでしょう?

 ここはアメリカ、アリゾナ州のバーミリオンクリフ国定公園にある奇岩地帯。

 あの有名なグランドキャニオンの北西方向、すぐ近くにある場所です。

 もうちょっと大きく見てみましょうか?

 この地層は砂岩でできていて、積み重なった砂丘を鉄砲水がえぐり、鉄分を多く含む地層がむき出しになったことで地上に現れました。

 この不思議なグラデーション、まさに大自然が生んだ奇跡の絶景と言えましょう。

 この景観を守るため、ザ・ウェーブへの入山者は一日20人までと厳格に制限されていまして、毎日抽選が行われています。

 そんな事情もあってグランドキャニオンほど知名度は高くなかったのですが、近年、「世界の果てまでイッテQ!」などで取り上げられ、抽選にチャレンジする日本人も増えています。

 「世界の果てまでイッテQ!」

 で、今回ご紹介したいのはココではありません(爆)

 このザ・ウェーブの近くナバホ族の居留地に、さらに驚くべき場所があるのです。

 その場所はアンテロープ・キャニオン。

 ザ・ウェーブと同様に縞模様の砂岩地帯なのですが、ザ・ウェーブが地上に露出しているのに対し、アンテロープ・キャニオンは「地下の迷宮」のように存在しているのです。

 ちょっと見てみましょうか、コレです↓

 ぅをををを~!!

 はい、もう何が何だか分かりませんが、とにかくすごい場所だという事は伝わってくると思います(笑)

    

 実は、このアンテロープ・キャニオンは二か所ありまして、その一つがナバホの言葉で”水が岩を流れる場所”を意味する「ツェー・ビガニリニ」、別名「アッパー・アンテロープ・キャニオン」。

 二つあるうちでは、こちらの方が観光客が多く訪れるスタンダードな洞窟(正確には狭い峡谷)となっています。

 なぜかと言えば、アッパー・アンテロープ・キャニオンの床面は地表と同じ高さになっているので、特別な苦労無しでそのまま入って行けるからです。

  入口

 ただそれだけではなく、その位置の関係から、太陽が天頂に昇った時に峡谷の開口部から陽光が降り注ぐ「光芒」を観ることができるのです。

 どんなのかと言いますと、以下。

 をを~なるほど~ ……てか、右の背景画像でネタバレしてますけど(笑)

 うん、これならお手軽に観に行けると思った貴方、そう、そこのアナタ…秘境を目指す者は、そんなところに安住してはなりません。

←(いつから「秘境を目指す者」になったんだ?)葉羽

 やはりアンテロープに行くからには、長いはしごでアップダウンを繰り返す…まさに「山あり谷あり」の「ロウワー・アンテロープ・キャニオン」を極めねばならないでしょう。うん!

    

 さて、その”真の秘境”ロウワー・アンテロープ・キャニオンの入り口はこんなところでございます。

  秘境への入り口!?

 ええええー!!! ただの「溝」!?

 そうなんです、とにかくここは足場が悪い。

 現在は内部に鉄製の階段が取り付けられていますけれど、以前はロープをよじ登ったり、梯子で降りたりしなければならない場所がたくさん。

 「秘境を極める」のも容易ではありませんでした。

 さて、そこを降りて行きますと、次第に深く、次第に幅が広くなってまいります。

 でも、砂が零れ落ちてくるし…。

 やはりデンジャラスな匂いがいたします。

 

 お約束の鉄階段もありますし…。

 

 さらに上空をみあげるとこんなふう…。

 せ、狭い! せばい!(福島弁) セバスチャン!!(?)

 やはりアッパー・アンテロープ・キャニオンと比べると、圧迫感が凄いです。

 閉所恐怖症だけれども「狭いトコが好き」な僕にとってはたまらない景色。

←(ただのドMかっ!?)葉羽

 このロウワー・アンテロープ・キャニオンは、ナバホの言葉で「螺旋の岩石アーチ」を意味する「ハスデトワジ」とも呼ばれます。

 上の写真など、まさに言い得て妙。

 こんな魔宮のラビリンスが果てしなく続くのです。

 

    

 なお余談ですが、このアンテロープ・キャニオンは、世界の歌姫ブリトニー・スピアーズの「I'm Not A Girl, Not Yet A Woman」のプロモーション・ビデオの撮影にも使われています。(アッパー・アンテロープ・キャニオン)

 

 

 とても雄大な気分が味わえるので、リンクも貼っておきましょう。

 ※ブリトニー・スピアーズPV「I'm Not A Girl, Not Yet A Woman」⇒

    

 さて、本日のハイライト。

 アンテロープ・キャニオンの峡谷の底から上空を見上げると青空が垣間見える場所があります。

 しかぁしっ!!

 この「スリット」が本当に力を発揮するのは、本当は「夜」なのです。

 夜にはどうなるのか?

 ‥‥そうです、そこには満天の星の光が。

 アンテロープ・キャニオンの上空にミルキーウェイ(天の川)がかかった瞬間をとらえたのが次の写真。

 ワン・・・

 トゥ・・・・・

 スリー・・・・・・

 これだぁ!!!

 をを~! もはや、ここが地球上だとは思えません。

 ホントに凄い景色ですね。(これが見せたかった…。)

 この写真は大変僕のお気に入りなので、現在(2/10)の岸波通信ナヴィゲーションのバナーの一枚に紛れ込ませてあります。

 まあ、これだけ「冬」の季節と関係ないので、若干違和感がありますけれど(笑)

 で、このロウワー・アンテロープ・キャニオン、見た目もデンジャラスなのですが、実際に超危険な場所でもあるのです。

 何かといえば「鉄砲水」。

 モンスーンの時期など、この上流数十マイルの場所で雨が降ると予告なしにこの峡谷に激流が流れ込んでくることがあるので、それで命を落とすことも。

 なにせ発生源が遥か上流ですので、アンテロープ・キャニオンが晴れていたとしてもお構いなし。

 直近では1997年に11人が鉄砲水に巻き込まれて命を落としました。

 なので、くれぐれも地元ナバホ族のガイド帯同で行かれることをお勧めします。

    

 最後の一枚は、ロウワー・アンテロープ・キャニオンの出口。

 こんなふうになっています。

 

 降りた分、登んなっきゃならないのかよ!!?

←(当たり前だ。)葉羽

 《配信:2018.2.10》

葉羽葉羽 ロウワー・アンテロープ・キャニオンの入口・出口は逆向きになることもあるようです。

 

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