<Prev | Next>
「windblue」 by MIDIBOX


南青山のコムデギャルソン本社に猛暑の中、「2027年春夏メンズウェア展示会」最終日(7月24日金曜日14時)に取材に出掛けた。

 その中の「コムデギャルソン オム プリュス」については、6月26日(金)にパリのエリゼ・モンマルトル劇場で発表されたファッションショーの展示会になる。

 そのテーマは「もし戦争が終わったら」。「反戦」をテーマにデザイナー川久保玲が掲げだしたのは、2015年あたりだろう。2022年2月24日のロシアのウクライナ侵攻開始以前である。それ以来川久保のファッションショーのテーマはほぼ「戦争」ということになる。

 今回のテーマは「もし戦争が終わったら」。春夏ものであるから、恐ろしく明るくクリーンでハッピーな色使いが最大の特徴だ。例えばカモフラージュ柄でも下掲のような「戦争」を感じさせない配色になっている。川久保玲をブラックな色音痴と思っている輩はこの色の洪水でありながら見事に統御されたカラーパレットをよく見て欲しい。

 

 そして「もし戦争が終わったら」というテーマ。全体のムードは明るいが、まさか楽観的に「戦争の終結」を考えてはいないだろうけれど(笑)。

 この世界には戦争がないと困る輩が厳然と存在していて、その勢力は圧倒的であるということを知らないわけではないだろう。この輩はまた「世界の人口は多過ぎる」と真剣に考えてもいる。だから最近は「戦争ビジネス」に加えてウィルスによる「薬品ビジネス」という新機軸を本格化させているのだ。その新機軸はコロナ禍で華々しい戦果を上げた。まったくもってとんでもない輩である。

 そんなことを深く考えるととても憂鬱になって来るのだが、この「コムデギャルソンオムプリュス」はそんな「憂い」を吹っ飛ばすような若々しいコレクションなのだ。悲観していてもしようがないファッションだけでもスカッとしようよ、というところなのだろうか。これが1942年10月11日生まれの83歳のデザイナーによるコレクションだというのに驚嘆してしまうのである。

 

 このロゴ遣いのプリントがウケそうだ。メンズウェアということになっているが、スカート、コートドレスなど男女ともに着やすいアイテムになっている。

 かなりビジネスライクなコレクションであるが、その上手さに舌を巻く。「プレイ」を生み出した同社社長でもある川久保のビジネス脳は健在だ。

 

 なおコムデギャルソン社は、メンズウェアではこの川久保玲による「コムデギャルソン オムプリュス」に加えて渡辺淳弥による「ジュンヤ ワタナベ マン」、ウィメンズウェアでは「コムデギャルソン」「ジュンヤ ワタナベ」「ノワール ケイ ニノミヤ」(デザイナー二宮啓)の5ブランドをパリでショーによって発表している。春夏5回、秋冬5回の計10回のショー開催だ。

 同社の場合約60人のスタッフがパリに派遣されているという。1ユーロ185円で換算すると1回のショーでもう5000万円以上になっているのは確実だろう。この馬鹿げた円安で下手をすると1回1億円近くになっているかもしれない。もう馬鹿にならない経費である。

 無論パリでのショー発表がその生命線である以上、必要経費なのだろうが。それにしても凄い金額になる。

(20260.8.7「岸波通信」配信 by 三浦彰 &葉羽

PAGE TOP


  banner  Copyright(C) Miura Akira&Habane. All Rights Reserved.