<soul-14> 踏!ん!で!る!!
明は、ムッとするよりむしろ呆れ返って、
「お手並みって……何でそんな古い言葉知ってんの?
時代劇でしか聞いた事ねーよ。
あんた本当にギャル!?」
真野はカアッと顔を赤くして、そのまま明の両手をグイッと取ると、
「ギャルって言うな!!
お爺ちゃん子だったんだよ!!悪い!?」
と挑みかかる様にくってかかる。
それを流して、一応、真野と正面切って手を組み、踊る態勢に入りながら明は
「ふーん。一応頭悪くは無いんだなって思ってさ……
手?冷たい…いや!!っつーかお前体温無いんだけど!?」
「霊なんだからあったり前じゃん」
と足取りもおぼつかない明を引っ張って踊り出す。
が、真野はすぐに明の足を思いっきり踏み付け、瞬間明の足に激痛が走る。
「いでえ!!」
叫ぶ明にわざとらしく
「ごっめ~ん。だいじょおぶう?
あんたのステップめちゃくちゃだからあ」
あざとい位大げさに謝る真野。
と、思っていたら、今度は明が
「あ!!わり!!」
と真野の足を思いっきり踏んづけてしまい、自分の痛みも忘れ、慌てて思わず素直に謝る。
「今のゴメン!!痛かっただろ?大丈夫か?」
明が予想外に余りに素直に謝るので、とっさに嫌味たらしい態度から、真野まで素に戻ると
「霊は心の痛みしか傷み感じねんだよ!!
あんた!こんなんでマジ踊ってるつもり!?」
痛みが無かった事に拍子抜けしながら安心した明は、
「…まあ、痛くないなら良かったわ…
オッスもう一回やろもう一回。始めからね」
佐山が気休めの様に声をかける。
「まだ時間あるから……」
明は今度は足下を注意深く見ながら、ステップを確認して踊る……が、真野に思わず叫ばれる。
「又!!」
「ゴメン!!だって……これこっち……?こっち……?あれ?」
足元に混乱していると、
「逆だっつうの!!」
真野のアドバイスを疑いつつステップを逆に踏むと、
「えー?じゃこう?」
「そうだっての!!」
喜んで佐山が拍手をしながら、
「おー明君一歩前進」
「え?」
と調子に乗って笑顔で佐山の方を見た拍子に間髪入れず真野が叫ぶ。
「踏!ん!で!る!!」
【2008.7.26 Release】TO BE CONTINUED⇒