岸波通信その51「人類の叡智に学ぶ1~男と女編~」

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Present by 葉羽
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岸波通信その51
「人類の叡智に学ぶ1~男と女編~」

1 幸か不幸か?

2 偉人も悩む

3 愛情の機微

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  Learns from Intelligence of the mankind 1 【2018.3.25改稿】(当初配信:2003.3.3)

「三種の男たちは女を理解することはできない。すなわち、それは青年と中年と老人。」
  ・・・アイルルランドのことわざ
 とあるアンケートで、「1ヶ月で100年分愛し合った…という話がドラマなどでよくありますが、その後の主人公達はどうなると思うか?」と質問したそうです。

 回答の一位は、男女とも「やがて平凡な形になる」というものでしたが、女性の二位が「密度が濃かった分、急速に冷める」であったのに対し、男性の二位は「最高の相性なので末永く幸せに過ごす」と全く逆の答えになったそうです。

ロンドン大学

(イギリス)

←今回のギャラリーは世界の街並みを中心に。

 男と女…その間には決して渡れない「深くて暗い川がある」と歌ったのは、誰あらん、あの大作家野坂昭如先生でした。

 というわけで、今回の通信は、皆様の多文化理解の一助に、古今東西の歴史や箴言等から、永遠に解けない謎である“男と女”に関するエピソードを集めてみました。

←(テーマを無理やり“国際理解”に結び付けているような気が…。)daddydaddy

 

1 幸か不幸か?

 ある時、新聞記者がバーナード・ショーに聞きました。

「“金曜日に結婚した男性は一生不幸になる”って世間で言いますが、貴方は本当だとお思いになりますか?」

「もちろん、本当ですとも! 『金曜日だけが例外』 ってことがありますかね!」

 そっ、そうなんですねっ? ショーさん。

 ラブレーの「ガルガンチュア」に出てくるジャンという修道僧の容貌は、作者自身によく似ていると言われています。

 この男は、特大の鼻を持っていますが、ラブレーは作品の中で「鼻の形によりて立てたるものの大いさを知る」と書いています。

 と、いうことは・・?!

 ソクラテスの妻クサンティッペといえば“悪妻”の代名詞となるくらい有名ですね。

 でも、ソクラテスは若者たちにいつも言うのでした。

  「皆さん、早く結婚しなさい!

 良い妻を得れば幸福になれるし、悪妻を娶(めと)れば哲学者になれるからね。」

 この話は有名だから、皆さんもご存知?

 18世紀の英国の詩人サミュエル・ジョンソンはポーター未亡人に結婚を申し込む時、自分のことは洗いざらい話しておいた方がいいと考え、こう告白しました。

「私は貧乏生まれだし、今もお金を持っていないし、それに叔父には絞首刑になった者もいます。」

 すると、自分もジョンソンにふさわしいことを示そうと、未亡人は言いました。

「私も貴方と同じくらいしかお金は持っていません。絞首刑になった親戚はいませんが、その値打ちのある者なら50人ほどもおりますわ!」

勢い余って、つい本音が・・・。

クライストチャーチの街並み

(ニュージーランド)


 男を理解したかったら、その妻を研究せよ。

〔フランスのことわざ〕

 なるほど、言えてる。

 モーパッサンが住んでいたクローゼル街17番地のアパルトマンの住人は、彼以外は皆、娼婦ばかりでした。客が呼鈴をならすと「お客?」かとあらゆるドアから、娼婦たちが顔を出したそうです。

 モーパッサンは、このアパルトマンを「僕のハーレム」と呼んでいました。

 少しだけうらやましい・・・。

 美しい女は災いを招く。

〔中国のことわざ〕

 虞美人でしょ、蝶蝉でしょ、楊貴妃でしょ・・・。

 次の三種の男たちは女を理解することはできない。

 すなわち、それは青年と中年と老人。

〔アイルランドのことわざ〕

 それって、全部なんですけど・・・。

 

2 偉人も悩む

 コロンブスの新大陸発見を後援したスペインのイサベラ女王に、ある女性が訴えた。

「夫が私を求めすぎて困ります。」

 女王は元老院議員を集めてこの訴えを協議し、その結果、“正当な結婚においては一日6回まで”と定めた。

 そして、女王は言いました。

「私は、守りやすい永久不変の法則を作るために、女の必要な欲望を、これくらいで我慢することにした。

 お、おいっ!

 ロシアの女流数学家ソフィア・コヴァレフスカヤはフランスのアカデミーから最高賞を贈られたほどの才媛でしたが、彼女自身は作家志望でした。

 また、彼女はドストエフスキーを愛していましたが、彼は彼女の姉アニータに夢中で、彼女を振り向いてもくれませんでした。

 “片思い”ここに極まれり・・・。

 野口英世博士は18歳の時に16歳の山内ヨネ子に恋文を贈りました。

 しかし、漢文調で綴った彼の恋文は難しすぎて彼女には何のことかわからず、母親にもわかりませんでした。

 しかたなく学校に持っていって先生に見せると、先生は説明してくれず、紙くずカゴに捨ててしまったそうです。

 後年になって明かされた話です。

ソールズベリ

ソールズベリー

(イギリス)


 アレクサンダー大王は、あまりイケる口ではなかったともいい、よく飲んだとも伝えられています。

 そして、彼が英雄にしては珍しく女性に弱かったのは酒のせいだとも言われています。

 アチラを立てれば、コチラが立たず・・・。

 哲学者カントは一生独身で過ごしましたが、青年たちがどんな女性を妻にしたらいいかと彼に聞くと・・・

「美貌の女性より金持ちの女性を選びなさい。容貌は年とともに衰えるが、金は年とともに増加するからね!」

 さすが「純粋理性批判」!

 ヴィクトル・ユゴーは1885年5月20日に83歳で亡くなりましたが、彼の座右のノートには、その年の1月12日、27日、2月9日、21日、3月9日、12日、22日、4月5日に秘密の印(しるし)が付けられています。

 ユゴー研究家のアンリ・ギュイマンによれば、それは彼が「性的遂行」をした印だそうです。

 フランス人は“お盛ん”だとは聞いていましたが・・・。

 アンドレ・ジイドは、11歳で父親を亡くして、厳しい母親の手で育てられました。

 読書も父の蔵書を大声で朗読することだけが許され、母親は読み方を監督しました。

 しかし、ある日ゴーティエの「ルベルタス」を読んでいると、母子二人の顔が赤くなるような所が出てきて、若いアンドレは数行を飛ばして読みました。

 その日から母の監督は緩くなり一人で黙読するのが許されるようになりました。

 ああ、少年の日・・・。

メキシコシティの夜景

メキシコシティの夜景

(メキシコ)

 

3 愛情の機微

 漫画家の滝田ゆうさんは、

「結婚したら12時までに帰ること。帰れなかったら、確実に電話を入れること。入れても2時までには必ず帰ること。
もし、違反したなら、いかなることにも服従いたします」

・・・という誓約書を、結婚する時、奥さんに書いたそうです。

 すると奥さんは、この誓約書をじっと見つめ・・・

「“いかなることにも”の次に“無条件で”という文句を追加して下さい。」

 青木雨彦「女はいつもミステリー」で紹介されていたエピソードです。

「ロシアでは名前も知らない人とはキスしません。」

「アメリカでは、キスをしてから名前を聞くんだ。」 

 映画「世界を彼の腕に」でのグレゴリー・ペックの名セリフです。

 女房と畳は新しいほうがいい。

 亭主と箸は強いほうがいい。 (!)

〔日本のことわざ〕

 うむ。後半はあまり知られていないかな?

←(そこの部分に“味”があるね・・・)daddydaddy

ヴェネチアの運河

ヴェネチアの運河

(イタリア)


 探偵のクレインは、ミス・レンショーと湖に写る下弦の月を見て語り合う。

 彼女はブロンド、緋色のドレス、本物のダイヤモンド。ストレートのジンを飲んでいる。

“Silver spray falling on a velvet blotter”
(びろうどの吸い取り紙に落ちている銀の雫ですな)

「なにが?」 ・・・とレンショー嬢。

「湖面の月の光ですよ。」

「でも、ベツにロマンチックにゃならないわ。」

「でしょうなぁ。満月の方がずっといいですな。第一、大きいですからな!

〔ジョナサン・ラティマー作のミステリー『モルグの女』より〕

 女性は“見た目”では分かりません。川端康成の「伊豆の踊子」でもそうでしたね。

 僕が大学の頃、二つの全然関係ないものを挙げ、その違いを機転を利かして説明するという遊びが一時、流行りました。

「じゃあ、時計と私の違いは?」 ・・・と当時のガールフレンド。

「時計は時間を思い出させる。でも、キミは時間を忘れさせるのさ。」

 本当は、フランスの作家フォンテーヌのネタです!

 男と女の間には 深くて暗い川がある
誰も渡れぬ川なれど エンヤコラ 今夜も舟を出す
Row and Row Row and Row
振り返るな Row Row

 お前が十七俺十九 忘れもしないこの川に
二人の星のひとかけら 流して泣いた夜もある
Row and Row Row and Row
振り返るな Row Row

〔「黒の舟歌」 野坂昭如:歌 〕

 野坂昭如大先生が昔歌って、大流行した曲です。

サンマルコ広場

サンマルコ広場

(イタリア)


 妻に自殺されたレーサーと、スタントマンの夫を目の前で失った女。

 寄宿学校にいる互いの子供を通じて知り合った男と女は、次第に惹かれ合い

恋に落ちていく・・・。

 モノクロームとセピアトーンの映像、流れるようなカメラワーク、フランシス・レイの甘美なメロディ、渾然一体となった映像と音楽によって、過去を捨てきれぬ二人の恋が甘く切なく描かれる。

←(何の作品か分かるかな?)daddydaddy

 カンヌ映画祭グランプリに輝き、クロード・ルルーシュの名前を一躍世界に知らしめたフランス映画の名作「男と女」のビデオ版解説に書いてありました。この文章が素晴らしいと思います。 

 恋は決闘です。もし右を見たり左を見たりしていたら敗北です。

〔ロマン・ロラン「魅せられた魂」より〕

 今どきの結婚しない若者たちは分かっていないんだろうなぁ?

 君を待つ土曜日なりき待つという時間を食べて女は生きる

〔俵万智「サラダ記念日」より〕

 何故か切なくなってくるような女心です。

 今日は、夫と激しい口論をしてしまった。どうにも止まらなくなり夫が言った。

「よし、きりがないから、本当に二人で言いたいことのありったけを紙に書いて見せ合うことにしよう!」

 私たちは、別々の部屋で言い分を紙に書いた。

 私は、口を極め、いかに夫が嫌いか、顔を見るのもいやか、書き連ねた紙を夫に見せた。

 次に夫の書いた紙を見せてもらうと、私の顔は、恥ずかしさで真っ赤になった。

「ゴメン、愛してる。ゴメン、愛してる。ゴメン、愛してる。ゴメン・・」

 昔、妻の書いた「日記」から。

 

/// end of the “その51「人類の叡智に学ぶ1~男と女編~」” ///

 

《追伸》 2003.12.14

 いやぁ、今回のサイトのリニューアルはホント大変でした。

 実は、一旦「メタリック・バージョン」である程度構築していて、途中から気に入らなくなったのでアップしないままに再変更したのです。

 迫力はそれなりにあったのですが、やはりそういう無機質なサイトは、僕のカラーではないと思いました。

 やはり、メッセージの強さよりも「癒し」や「感動」を重視してしまうのは、年をとったせいでしょうか?

 

《追伸》 2018.3.25

 (↑)と書いたのが15年も前と気付いてビックリ。

 通信の初期ナンバーは15年ぶりの本格リニューアルということになりますね。(※当初はコンテンツが少なかったのでサイトのデザインをちょこちょこ変えていた。)

 しかし「年をとったせい」って、まだまだ甘いよ、15年前の自分!

 

 では、また次の通信で・・・See you again !

「WESTAN」

WESTAN

(by 朋朋)

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To be continued⇒“56”coming soon!

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