岸波通信その250「宿敵!小笠原④」

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Present by 葉羽
「SUMMER IN THE ISLAND」 by Music Material
 

岸波通信その250
「宿敵!小笠原④」

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◆「人生を振り返って」シリーズ#49「宿敵!小笠原

 小笠原の病室が分かってからは、2~3日置きに病院見舞いをする日々が続いた。

 学業の遅れを案じる彼の気持ちが分かったので、少しでも授業のことを伝えて力になれればと思ったのだ。それと・・他愛もない学校生活の話。

 そんなことが一か月も続くうち病状は安定に向かってきたらしく、顔色も回復してきた。

病状回復

(イメージ)

 そんなある日、病室を訪れると、小笠原がニヤニヤしながら目配せをしてくる。うむ、何かいい知らせでもあったのかと思うと、彼はオモムロに戸棚からあるものを取り出した・・将棋盤だ!

「対局してもいいって、病院から許可を貰ったんだ」()

「をを~それは良かった!」

 小笠原にしてみれば「飯より好きな将棋」を指せないことはとても苦痛だったろう。

  将棋盤

「よおし、一局いってみるか!」

 さっそく駒を取り出し、先番決めの「駒振り」だ。

 いざ勝負を始めると、そこは手加減ができない僕の性格。第一局はギッタギタに負かしての勝ち名乗り。

 どおだ、まいったか! ( ¯﹀¯ )

  王手!

 こうして小笠原の病室は、見舞いのたび我らの激闘の場となり、負かせ続けたせいで良くなりかけていた小笠原の顔色は悪化の一途・・

 と言うのは冗談で、もともと実力伯仲の我らはがっぷり四つの戦績だった。

病室で対局

(イメージ)

 大部屋の中には将棋観戦が好きなオジサンたちも居て、対戦がはじまるとワラワラと集まって来る。(他の病室から来る人も居た)

 彼らは自分で指すことはしないが、「岡目八目」で指し手に「口撃」してくるものだからたまらない。(おいおい!)

  岡目八目

 まるで学校の「放課後将棋会場」が再現されたようなものだ。こうして、我らの対局は病院内の「名物」になっていった。

 やがて夏休みが近づき、期末試験の季節がやって来た。さすがにこの期間は病院へ足を運ぶわけにはいかない。

  期末試験

 試験ウィークが過ぎて夏休みに入った後、今度は自宅から病院へ行くことになった。だが、そこで「大事件」が起きる。

 試験も終わって意気揚々と病室に入ると、小笠原が居るはずのベッドが「空」になっていたのだ。

空になったベッド

(イメージ)

 とたんに心臓がドキドキ胸騒ぎ。部屋を間違えたかと思って外に出、入り口の「患者札」を確認するが「小笠原」の名前は無かった。

 もしかして別の部屋に移ったのかとも思い、周囲の病室を確認して廻ったが、どこにも彼の姿は見当たらない。(゚Д゚;≡;゚Д゚)アワワワ

 最悪の状況が脳裏に浮かび、僕は真っ青になった。足元ふらふらとナースセンターに向かい、そこに居た看護師に問い質した・・

  も、もしや・・

「あ、あの・・〇〇号室の小笠原君は、いつ亡くなったんですか!?」

 ええ~! ( ̄▽ ̄;)

 むしろビックリしたのは、訊かれた看護師の方だった。でも直ぐに居ずまいを正し・・

  それはですね・・

「小笠原さんは、仙台の東北大附属病院に転院しました。専門医が居るので」

 ええ~! ( ̄[] ̄;)

 今度は驚いたのは僕の方だ。

 命に別状なかったことに安堵はしたが、病院を出るとムラムラと怒りのようなものが沸き上がって来た。

 試験前、最後の対局で負けた思い出が胸をよぎり、思わず僕に大声を出させた。

「小笠原、勝ち逃げは許さんぞ!」m9っ`Д´)

ユルすぁ~ん!!

(イメージ)

 後で分かったことだが、元々小笠原の病状は特殊で重く、専門医がいる東北大附属病院に入院する予定だったが病床に空きがなく、福医大病院に「仮入院」していたのだ。

 突然決まった転院のタイミングについては、ケータイなど存在しなかった当時のこと、僕に伝える手段が無かったのだろう。 

 いずれにしても、彼がもう一度「福島高校」に戻って来るかさえ分からなかった。

「これっきりになるのか・・」(´-ω-;)

 せっかく出会えた友と再び会うことが出来ないのでは?・・という気持ちが胸を塞ぐ。

 結局その後、音信もないまま二年が過ぎた・・。

(To be Continued⇒)

 

/// end of the “その250「宿敵!小笠原④」” ///

 

《追伸》

 彼の入院期間について記憶違いで書いていたかもしれません。

 小笠原の最初の入院が高校一年の時。その夏に東北大附属病院に転院して、僕が大学一年の時に仙台で再会し、二年遅れで東北大に進学してきましたから、5年近くの長期入院だったことになります。

 青春真っ盛りの「5年間」・・これはキツイです。それでも彼はめげることなく進学してきたのですから立派なヤツ。

 ただ、既にその頃の僕は、現在まで続く悪友たちと麻雀に興じることになるので、小笠原との縁は次第に薄れて行きました。今頃、どうしているのかなぁ・・。

 

 では、また次の通信で・・・See you again !

宿敵!小笠原

←この右側の後ろ姿が本人にそっくり!

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To be continued⇒“251”coming soon!

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【岸波通信その250「宿敵!小笠原④」】
2026.1.28配信

 

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