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  BGM "夢日和" by My WORLD

 

 
今回登場するメンバー
岸波岸波ケイコケイコ親父親父男子店員
お客さんAお客さんBdaddydaddy
 

Our Way of Ra-a-men 75Rio

岸波岸波 皆さん、今日もおいしいラーメン喰ってますか〜!

 退かぬ!! 媚びぬ!! 省みぬ!!

 “愛ゆえにラーメンを捨てられない男”が、またやって参りました。

 親父にお昼は何がいいと聞きましたら、親父「オニギリでいい」という。

 実はこの「でいい」は「積極的に食べたい」という意味のようで、遠慮して言っているワケではないらしい。

 なので、時には「刺身でいい」とか「スキ焼でいい」など、果てしなくバリエーションは広がるのでございます。

 ということで、美味しい作りたてオニギリを買うため、ケイコとご近所の「丸亀製麺」へ。

ぷりっぷり!

オニギリを買出しに

(福島市方木田地内)

岸波ケイコも丸亀製麺の釜揚げうどんでいい?

サナエ ラーメンでもいいよ。アナタは?

岸波そう言えば、この前雑誌に出てた新しい店が気になる・・どこだっけかな?

サナエ じゃ、一旦戻って調べてからデジカメも持って・・。

岸波なにっ!本格的ラーメン道じゃん!

 ということで、購入したオニギリを親父に届け、早速、心当たりをネットで検索いたしました。

 たしか児童遊園地のあたり・・でもって、麺が太いラーメンだったような。

岸波(ん?コレかな・・バッチ屋?)

 よしっ!気分の乗った時こそ取材日和!

 急いで駐車場に下りると既にケイコがスタンバイ・・・だけど変なカッコしてる。

岸波何やってんの?

サナエ ロングブレス・ダイエット。

岸波ええ〜! (しかも、ジョジョ立ち・・)

ぷりっぷり!

ロングブレス・ダイエット

←ジョジョ立ち。

 とにもかくにも、しゅっぱーっ!

ということで、ラーメン道、もういっちょー!!

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1 バッチ屋への道! Rio

 このバッチ屋に眼をつけたのは、シティ情報福島にあった記事。

 市内豊田町に最近オープンしたラーメン屋で「縮れ太麺」もあるというところに大注目。

 福島市内のラーメン屋は伝統的にもニューウェーブ系もそのほとんどが細麺中心でございます。

 太麺を出すところもありますが、それは「つけ麺屋」。平打ちではなく全体的にぶっといタイプの麺でありますね。

 やはり会津で合計11年も暮らした我が身としては、ラーメンといえば“平打ちの縮れ太麺”でなくてはならないのです。

サナエ 何を食べたいの?

岸波やっぱり味噌らーめんかなぁ。(最近、醤油系多いし・・)

ぷりっぷり!

間もなく豊田町

(福島市)

 国道4号から浜田町のヨークベニマルのところで東高方面へ右折。

 すると、右手に見えてまいりましたのが、まごうことなき「バッチ屋」の看板。

サナエ あそこね?

ぷりっぷり!

バッチ屋

(福島市)

 ところがここでアクシデント発生!

 店の前には二台分くらいの駐車場しかないのですが、前の車がここに滑り込み・・と同時に、逆方向からの車も侵入。

岸波あら〜っ!

 やむを得ず、もうひと回りしてヨークベニマルの駐車場へ。なぁに、後から果物でも買いに行けばいい。

 駐車場に車を停めると、今度は雪が降り出しました。しかも、かなり強い・・吹雪でございます。

ぷりっぷり!

ヨークベニマル

(福島市)

 ほんのちょっとしたタイミングのずれによりまして、吹雪の中を歩くハメになりました。

 思えば、このあたりから不吉な予感が。

 今日は運の神様がついてないのではないか〜なんてことを考えるうち・・・

 サナエ ね、あれ見て。

 〜と指差すのは交差点の反対側。

ぷりっぷり!

闇市?

(福島市)

岸波えええ〜“闇市”!

 黒い下地に白抜きで「闇市」の看板が。

 そっか、まだこんなところに残っていたのか。戦後は終わってはいなかった・・うっうっ。

サナエ 炭火焼き鳥屋みたいね。

岸波そ、そうだよね。はじめからそうだと思ってた。だーっはっはっは! 

サナエ (アヤシイ・・。)

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2 ツバメ参上ラーメン! Rio

 辿り着きましたバッチ屋の店の前。

 白地の暖簾に赤の丸に禮のロゴ、黒で「豊田製麺所 バッチ屋」とありまする。

 ここの開店は昨年2012年8月10日。

 “豊田製麺所”とあるのは、以前に製麺所をなりわいとしていた名残でありましょうか。

ぷりっぷり!

バッチ屋

(福島市)

岸波(それにしても「バッチ」屋とは面妖な・・。)

 福島の方言で、末っ子のことを“ばっち”または“ばっち子”と言うので、もしかすると末っ子のご主人なのかも。

 さっそく店内に乱入。

ぷりっぷり!

バッチ屋

(福島市)

(店員) いらっしゃいませ〜!

岸波ええ〜っ、満員!

 時刻は2時少し前、それでいて店内は大混雑。

 待ち席に座りきれず、立待ちのお客さんも。

 僕たちの後からアベック二人組みも入店、僕たちの逆側で同じく立待ちでございます。

 厨房内には店長とおぼしきご主人とサポートのお姉さん、そして、配膳係りらしき太目の男子店員が。

岸波(ん?あの店長はどこかで見たような・・。)

 後から調べましたら、ここの店長さんは「えなみ」や「くおん」に勤めていた方だそうな。どうりで見た顔だと。

 そして、天井を見上げますと・・・。

ぷりっぷり!

天井

(バッチ屋)

 天井一面に飾り竹が張ってありました・・ほぅ、なかなか凝った造り。

ご注文の検討をお願いします。

 〜と言って、男子店員がメニュー表を配りに参りました。

 僕は既に“縮れ太麺で味噌らーめんの大盛り”と決めています・・というか、それが食べたくてわざわざ出向いて来たのです。

 さて、ケイコは何がいいかな? オーソドックスに醤油ラーメンかな?それとも・・・おっ!?

 カウンターから何やらぶら下がっております。

岸波なにっ、限定メニュー!?

ぷりっぷり!

ツバメ参上ラーメン

(バッチ屋)

 “ツバメ参上ラーメン”とありますが、これはきっと新潟県燕三条市の背脂チャッチャ系ラーメンに相違ありますまい。

 どうやらレギュラーメニューのほかに期間限定の特別メニューを廻していると見えます。

岸波ケイコ、このツバメ参上ラーメンでいい?

サナエ 面白そうね、それでいいわ・・なんか書いてあるよ。

岸波ふむ。どれどれ?

ぷりっぷり!

ツバメ参上ラーメン

(バッチ屋)

『中華ソバをベースに太ちぢれ麺にして背脂、ニンニク、しょうが、玉ねぎみじん切りが入っている寒い季節にピッタリの体温まるラーメンです。ぜひお試しください。』

 やはり背脂チャッチャ系か。で、太ちぢれ麺・・・う〜ん、たまんねッス!

 待てよ、その下にも赤文字で何か書いてある。『※細麺に変更できます。』・・・ソッコーで却下。

 で・・・ 『※ツバメでダシは取っておりません。』

岸波ぶわっはっはっは!

 ツバメ参上というネーミングといい、このひねりの効いたコメントといい、好感度が大幅アップでございます。

 ということで、僕が味噌ラーメンの大盛り、ケイコがツバメ参上ラーメンと心に決めました。

 麺は、もちろん太縮れ麺でございます。(←ココ当然!)

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3 アクシデント発生! Rio

(お客さん) 何ぃ〜太麺は無いのぉ?

 突然、聞こえてきた別のお客さんの悲鳴。

 え・・なんだって、太麺が無い!?

すみません・・今日は切れちゃったんです。細麺ならあります。

細麺ならある?当たり前だろ(憮然)

 このやり取りを背中で聞いた僕も動揺。

 おいおいカンベンしてくれよ、太麺があるっていうからわざわざココまで足を運んできたんだよ。

 おーまいがっ! この世には神もホトケもないのかっ!?

 ・・・しかも、猛吹雪の中!

←(後から吹雪になったんだよね。)daddydaddy

ぷりっぷり!

壁のメニュー

(バッチ屋)

岸波(仕方ないな、細麺の味噌でもいっか・・。)

 男子店員は頭をカキカキ、なにやら代わりの注文をとっていく。

 そして、次には僕らの方に・・・と、思いきや!?

 目の前をスルーし、後から来たアベックのもとへと。

岸波(おいおい、なんか悪い予感がするな・・)

 店員君、アベックの注文を店長につなぐと、再び僕らをスルーしてテーブルの片付けなどを始める。

岸波ね、キミ、注文してもいいかな?

あ、ハイ。ちょっとお待ちください。

 慌てて伝票とペンを取りに戻る店員。ダイジョブかよ、この店。

岸波太麺は切れたんだね? しょうがないから細麺で味噌ラーメン大盛りとツバメ参上ラーメンを。

あのぅ、太麺が無いので味噌ラーメンも終わりました。

岸波ええ〜っ!

 やはり悪い予感的中。どうも今日は日が悪いようです。もしかして・・・天中殺か?

 こんなことでメゲルな、頑張れ自分! ・・と励まして、ようやく『塩ラーメンの大盛り』『ツバメ参上ラーメン』をイレギュラーな細麺で注文。

 なんかもう、どうでもよくなってまいりました。

テーブルできました!順番の早い方からどうぞ!

 お、ようやく順番が来たか。では、さっそく参ろうか。

 店の一番奥、壁際のテーブルにケイコと陣取りまして、壁の貼紙などを見る。

岸波お、これは・・?

ぷりっぷり!

おつまみゴボウ?

(バッチ屋)

 おつまみにゴボウ!? 珍しいなぁ。

 どうしてラーメン屋にゴボウが・・・謎は深まります。(ふむぅ。)

 ところが、先ほどの店員君が戻って参りまして・・・

すいません。あちらの注文を先に入れちゃったので交代してもらえますか?

岸波ちょっ、ちょっと、僕らの方が先に待ってたんだよ。

いや、あの、注文入れちゃったので。

 『それは僕らの責任じゃないよね?』・・と言いたくなるのをぐっとこらえ、ケイコを促して再び立ちんぼでございます。

 ま、綾小路麺道斉としては「ラーメン道」のネタを提供してくれたのでむしろ歓迎・・と強がるしかない。

 むしろ不憫なのはこのお店。僕は正直にしか書けないからね。

 なんかもう、再びどーでもよくなってまいりました。(いい店だと思ったんだけどな・・。)

ぷりっぷり!

空腹のケイコ天を仰ぐ

(バッチ屋)

 そのうち、角々の狭い場所を案内され、巨体の僕はどうしても入れそうに無いので別席が空くのを待ちます。

 すると、さらに後から入ってきたお客さんから悲鳴が。

え?太麺なくなっちゃったの!?

←(またかよ。)daddydaddy

 どうやら、この店には“太麺ファン”が集まってくるようです。

 それもそのはず、福島市ではほとんど細いラーメンしか食べられないのですから。

 平打ちの縮れ太麺はオンリーワン・・のはずだったのです。

 店の入口の横には、順番待ちに邪魔なくらい小麦粉の大きな袋を積んで『自家製麺』をアピールしているのですが、“一丁目一番地”の太麺が品切れとあっては、それもただの仇花。

 いいえ、傷口に塩をすりこむ毒花でございます。 ヽ(  ̄д ̄;)ノ オテアゲー!

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4 それでも実食! Rio

すいません。本当にお待たせしました。

岸波あ・・出来たのね?

 どれどれ?

ぷりっぷり!

塩ラーメン

(バッチ屋)

 こちらは塩ラーメン。

 ま、塩だったら細麺でもしょうがないかということで注文。

 しかし・・・写真ではちょっと分りづらいですが、背脂ラーメンなのにベースのスープには美しい透明感があります。

 香りも悪くない。具は硬めの肩ロース・チャーシューとナルトと大きな海苔、刻みネギにたっぷりのワケギ、そして何だコレは・・・

岸波ゴボウ!?

 ちょっとしたサプライズ。

 ←塩ラーメンにゴボウ(右上)。

サナエ このスープとゴボウの香りがピッタリね♪

 店の好感度、ちょっぴり回復しました。

ツバメ参上ラーメンです。こちらに置いてよかったですか?

 うんケイコの方。 はい、くるしゅうない。

ぷりっぷり!

ツバメ参上ラーメン

(バッチ屋)

 背脂チャッチャ系は「まったり」や「紗羅家」など会津にも名店が多いのですが、これもなかなか捨てたもんじゃない。

 同じくモモ肉チャーシュー、ナルト、海苔、刻みネギにワケギではなくたっぷりの刻みタマネギ、そして・・・

岸波タケノコか!?

 具については、なかなか研究しているようです。

 でも、硬めの肩ロース・チャーシューは好き好きがあるでしょう。僕は好みではない。

 ますます味噌ラーメンが食べたかったなぁ。(残念無念)

 チャーシューを入れないで挽き肉を使っていれば大したものだと思うけれど。

サナエ あら? なにこれ?

岸波どしたの?

ぷりっぷり!

ツバメ参上ラーメン

(バッチ屋)

サナエ そっちより麺が多くない?

 何ということでございましょう。なんだべでございましょう。

岸波ええええ〜!! 今度はオーダーの取り違い!?

 見るからにコッテリ系、中高年にはきびしい背脂ギトギトだからこその普通盛り、アッサリ塩味だからこその大盛り・・・これが真逆で出てまいりました。マイガッ!

 “ウリ”の太麺が品切れとなったのはむしろ笑うしかないですが、お客をスルーしての順番飛ばし、案内して着席した客をもう一度立たせるという慇懃無礼、加えてオーダーの取り違い。

 この店には神もホトケも将軍様もないのかっ!?

←(将軍様はないね。)daddydaddy

 しかしまあ、それぞれに味は悪くない。

 店主の研究や工夫も感じられる。

サナエ 会津の「こうみ家」のタマネギは美味しかったね。

 と、突然ケイコが言うのは、「こうみ家」のスーパー豚骨ラーメンの信じられないくらい美味しい刻みタマネギのこと。

 あの変哲も無いタマネギなのに、どれだけ感動したことか。(毎回、「ちょっと多め」と頼んでいる。)

 このバッチ屋のツバメ参上ラーメンも見た感じ同じに見えるタマネギなのですが、食べて比べてみると全くの別物。

 タマネギの硫化アリルがきつく感じられるし、口当たりもよくない。

サナエ 「こうみ家」のタマネギは、一晩水につけて辛味成分をマイルドにするか、刻む前に軽く電子レンジで加熱してると思うわ。

 ま、そうかもしれないし、そもそもここのスープと相性が悪いのかもしれません。

岸波でもまあ、このスープは悪くない。(ズズーッ・・ ズズーッ・・)

ぷりっぷり!

塩ラーメンスープ

(バッチ屋)

←キラキラ美しい透明感。

岸波ぜんぶ飲んじゃった!

 去年の夏、開店当初は『スープのダシが取れていない』などの評価もあったようですが、この日のスープは全くそれには当りません。

 おそらく店主自身も、謙虚に改良を重ねたのでしょう。

 ニューウェーブ系ラーメンはすべからく味が濃く、塩辛過ぎることが多いのですけれど、バッチ屋では見事なバランスに到達しています。

 むしろその微妙なバランスゆえ、「塩ラーメン」に限っては細麺の方が合っているかもしれません。(残念ながら、僕は細麺ならもう食べに行きませんが。)

 お勘定を済ませ帰ろうとすると、あの店員君が僕のところへやってきました。

今日は本当に申し訳けありませんでした。

岸波うん気にするな。今日は美味しかったよ。

 なんだ、とてもキチンとした好青年じゃないか。謝り方をちゃんと知っている。

←(いっきに好感度、完全回復!)daddydaddy

 間違いは誰にでもある。問題はその後の態度なんだ。

 店長、きっと彼はこれから伸びると思う。長い目で引っ張っていって下さいね。

 

 うん、やっぱりラーメンって、ホントにいいもんですね〜♪

 

/// end of the“その75 「豊田町製麺所/バッチ屋」” ///

line

 

《追伸》

 もういいかな・・と思いましたが、青年の最後の言葉で「もう一度来てみよう」という気になりました。

 考えてみれば、一番押しの“縮れ太麺”をまだ食べていないことに気づきました。

 バッチ屋の奥深いスープは、無加調で徳島産・阿波尾鶏と豚のゲンコツなどを使っているということです。

 繰り返しになりますが、その塩加減・・・つまり「塩梅」が只者ではありません。

 あとは、タマネギにひと工夫加わるかどうか、肩ロース・チャーシューが“生っぽい”スタイルで行くのかどうか。

 そして、味噌ラーメンならば・・・

 伝説の五ェ衛門ラーメンのように、あえてチャーシューを外して旨みたっぷりの挽き肉だったら最高なんだけどな。

 ま、もう一回行ってみよう。気を取り直してから。あはははは!

 

 では、また次の「新・ラーメン道」で・・・See you again !


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お店の場所

←(バッチ屋)

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