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「Glidin'」(TAM Music Factory)
by 岸波(葉羽)【配信2019.12.4】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

『T2』の正統なる続編にして、新たなる伝説。

 カリスマ彰やツーさん、T.sakumaを初め、岸波通信の各ライターは僕の呼びかけに応じて「年末にふさわしい記事」ということで、総集編や2019年ベストを書いています。

 そこでこちらcinemaアラカルトでも、2019年の終盤に観た映画をまとめてご紹介したいと思います。

 ←個別に書いている暇が無かったという噂もあり(笑)

ターミネータ―:ニュー・フェイト

(C)2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation
and Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

 今回取り上げますのは・・・

1 ターミネータ―:ニュー・フェイト

2 決算!忠臣蔵

3 エンド・オブ・ステイツ

4 ジェミニマン

5 アド・アストラ

~の五本。

 ということで、早速「ターミネータ―:ニュー・フェイト」から。

 

◆『ターミネーター:ニュー・フェイト』
イオンシネマ福島:11月8日(金)鑑賞

 時代は変わった。
 運命はどうだ。

「ターミネーター」シリーズ生誕35周年記念作品。

「T3」以降、メガホンを譲った巨匠ジェームズ・キャメロンが監督に復帰し、「T2」の正統な続編と銘打った今作、大きく期待が高まる作品でした。

 そもそもT-800のシュワちゃんは「T2」のラストシーンで溶鉱炉の中に消えたはず。なのに今回も「ターミネーターを演じるのはこれで最後」と言ってキャスティング。いったいどうやって辻褄を合わせるのか?

 はたまた「T2」のラストで人類世界を破滅に導くスカイネットの陰謀は潰えたはず。なのにどうして再びターミネーターが未来からやって来るのか?

 さらには「新三部作の第一作」とキャメロンが宣言したように「新たなる展開」をどのように提示するのか?

 大きな三つの謎を明らかにせねばなりますまい。うむっ!!

ターミネータ―:ニュー・フェイト

(C)2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation
and Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

 まだ「ミステリ&シネマ・パラダイス」には上げていませんが、Pie造さんがこの作品について以下のように書いています。

『未来は変わっても人類は同じ過ちを繰り返す。だけど、挫けないのも人類。 . . シリーズものは見続けられない性分なんだか、2の正当な続編と言われると観ちゃうよな〜(笑) ハードルは低くして見ました。 期待を上回ることはなかったけど、これは鉄板級に楽しめる話です。👍』

 うん、十分に言い切っている(笑)

サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)

(C)2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation
and Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

 一つ目の謎・・今回登場するT-800のシュワちゃんは「T2」で溶鉱炉に沈んだのとは別物。

 人類の未来を救うジョン・コナーの抹殺に失敗したスカイネットは慌てて別のT-800を送り込み、その結果、ジョン・コナーの殺害に成功していた~という設定。

 うわぁ、既にかなり無理があります。そもそもT-800より遥かに能力が高いT-1000の液体ターミネーターで失敗してるのに、わざわざ旧型のT-800を送るなんて。(同時に2体送っていたとしても、やはり変。)

二体目?

 二つ目の謎・・「T2」でスカイネットの発展を助ける未来の技術(ターミネーターの部品)が破壊されたためスカイネットは生まれなかったが、その代わりに別のAIが新たなターミネーターを生み出し、人類の脅威になった。

 これもまぁご都合設定。Pie造さんが言う『未来は変わっても人類は同じ過ちを繰り返す。』の正体。

 第3の謎「新たなる展開をどのように提示するのか」・・未来のAI帝国に反旗を翻すヒロイン(ジョン・コナーの代わり)であるダニー・ラモス(ナタリア・レイエス)が救われ、AIはまた次の抹殺者を送り込む余地が生まれた。

 いやいやいや・・このパターンって「T2」をそのまま踏襲してるし、先に作られた「T3」以降の作品と殆ど同じ設定ではないですか。

三人のヒロイン

 一部の評論家は、サラ・コーナーや未来から送られてきた強化人間(人類の味方)グレース(マッケンジー・デイヴィス)、そして守られる側から最後は凛々しく立ち上がるダニー・ラモスら三人の女性をメインに出したところが画期的と称賛していますが果たしてそうでしょうか?

 強い女性をメインに据えた作品ならリプリーの「エイリアン」シリーズやら「チャーリーズ・エンジェル」など挙げるにいとまがありません。

Rev-9(ガブリエル・ルナ)

 ただね・・・

 Pie造さんが言う通り『ハードルは低くして見ました。 期待を上回ることはなかったけど、これは鉄板級に楽しめる話です。👍』という気構えで観れば、十分に楽しめる作品。

 北米の封切り一日目の興行収入も前作の『新起動/ジェニシス』を下回り、巨額のマーケティング費用によって約1億ドルの赤字が見込まれるとか。

 批評集積サイトRotten Tomatoesでも批評家支持率が71%、平均点は10点満点で6.2点と、可もなし不可もなしの成績。

 これは「T3以降の作品は忘れてもらっていい」と豪語したジェームズ・キャメロンの「新三部作構想」も赤ランプ点灯というところでしょうか。

◆allcinema ONLINEの解説から引用

 「ターミネーター」シリーズの生みの親ジェームズ・キャメロンが製作・原案として「ターミネーター2」以来の復帰を果たし、同じく同作以来のシリーズ復帰となるサラ・コナー役のリンダ・ハミルトンを主演に迎え、改めて「ターミネーター2」の直接の続編として贈るSFアクション大作。シリーズの顔アーノルド・シュワルツェネッガーも再登板し、“審判の日”が回避されたはずの人類を待ち受ける新たな衝撃の運命を描く。共演はシリーズ初参加となるマッケンジー・デイヴィス、ナタリア・レイエス、ガブリエル・ルナ。監督は「デッドプール」のティム・ミラー。

 メキシコシティの自動車工場で働く21歳の女性ダニーは、未来からやって来たターミネーター“REV-9”の突然の襲撃に遭う。絶体絶命の窮地を、今度は未来から送り込まれた強化型兵士のグレースが救う。それでも執拗に迫ってくるREV-9にグレースが手を焼いていると、どこからともなく伝説の女戦士サラ・コナーが現われ、REV-9を撃退する。グレースによると、ダニーの命には人類の未来がかかっているという。やがてダニー、グレースと行動をともにするサラの前に、かつて溶鉱炉で消滅したはずの旧型ターミネーター“T-800”が姿を現わすが…。

 

◆『決算!忠臣蔵』
イオンシネマ福島:11月22日(金)鑑賞

 討ち入り、
 やめとこか!

 大石内蔵助が残した決算書を元に、吉良邸討ち入りをお金の面から描いた山本博文の『「忠臣蔵」の決算書』を映画化したもの。(2012年新潮社新書)

 いや~笑かしてもらいましたww

 確かに、一つの大事業を成し遂げんとするなら、その裏側でお金の苦労や様々な葛藤があって当たり前。

 伝説ではなく等身大の討ち入り譚として「一面の真実」を明らかにした功績は評価できます。

決算!忠臣蔵

(C)2019 「決算!忠臣蔵」製作委員会

 また、主要キャストにもたくさんの芸達者を登用し、その演技合戦も必見。

 こりゃあ豪華だわ・・そしてハマリ役。

決算!忠臣蔵

(C)2019 「決算!忠臣蔵」製作委員会

 討ち入りのために準備した資金は(現代価値で)9500万円。

 藩が撮りつぶしになったのに、そんな大金が用意できた理由は、浅野内匠頭の正室瑤泉院(石原さとみ)の持参金を商家に貸し付けていた回収金。

 これがいろんな費用でどんどん減って行く。このまま減り続ければ討ち入り自体ままならぬということで、期日を繰り上げて実行という嘘のような本当の話。 

 ただ・・(演習を除けば)クライマックスである討ち入りのシーンも無し。

 ということで、映画のエンドは肩透かしを食ったような気分。

 ラストシーンで涙を流させた「引っ越し大名!」よりは、軽量級の映画でした。

◆allcinema ONLINEの解説から引用

 誰もが知る“忠臣蔵”の物語を予算という切り口で読み解いた山本博文の『「忠臣蔵」の決算書』を「殿、利息でござる!」「忍びの国」の中村義洋監督が映画化した痛快時代劇エンタテインメント。亡き藩主の仇を討つべく討ち入りの準備を進めるも、そのための予算が限られているという厳しい現実に直面した大石内蔵助と勘定方・矢頭長助の悪戦苦闘の行方を、大石が実際に遺した詳細な会計帳簿をもとにした赤穂浪士のリアルな財政事情とともに軽妙な筆致で描き出す。主演は堤真一、岡村隆史、共演に濱田岳、横山裕、荒川良々、妻夫木聡、竹内結子、西川きよし、石原さとみ、阿部サダヲ。

 18世紀初頭、江戸・元禄年間。赤穂藩藩主の浅野内匠頭は、江戸城内で幕府の重臣・吉良上野介に斬りかかるという刃傷沙汰を起こし、幕府より即日切腹と藩のお取り潰しという厳しい裁定が下る。筆頭家老の大石内蔵助は、幼なじみで勘定方の矢頭長助の力を借りて残務整理に追われる日々。そんな中、一部の藩士が仇討ちを口にして勝手な行動に出たり、討ち入りを期待する世間のプレッシャーも日増しに高まっていく。ところが、いざ討ち入りするにも相当のお金が必要なことが判明する一方、どうにか工面した予算800両(約9500万円)はみるみる減ってしまい、いよいよ追い詰められていく大石だったが…。

 

◆『エンド・オブ・ステイツ』
イオンシネマ福島:11月29日(金)鑑賞

 アメリカが堕ちるーーー

 2013年「エンド・オブ・ホワイトハウス」2016年「エンド・オブ・キングダム」に続くシリーズ第三弾。

 アメリカの中枢がいとも簡単に敵の手に堕ちるという設定も三回目となると「そんなにセキュリティが甘いのか?」という疑問も湧きそうですが・・(笑)

エンド・オブ・ステイツ

(C)2019 Fallen Productions, Inc.

 第1作で下院議長を務め第2作で副大統領となったトランブル(モーガン・フリーマン)が大統領に出世。

 主人公であるシークレット・サビースのマイク・バニング(ジェラルド・バトラー)とは互いに信頼を寄せる仲。

 度胆を抜かれたのが、お忍びで釣り遊びに興じていたトランブル大統領と取り巻き一行を大量の戦略ドローンが襲撃する場面。

 実際にああいうドローンは実在しているのではないかと思われ、あんなふうに爆弾を抱いた数百のドローンが一斉に襲い掛かってきたら、どんな警護も突破されるのではと危惧しました。

マイク・バニング

 映画では重体となったトランブルとバニングだけが生き残り、外のシークレット・サビースが全滅したことから、バニングはFBIから「事件の黒幕では?」とあらぬ疑いをかけられるハメに。

 今篇ではFBIの厳しい追っ手をかいくぐりながら真犯人を探すバニングの行動に焦点が当たります。

 細かい突っ込みはさておいて干渉すれば、それなりにノンストップ・アクションを楽しめる趣向ですが、さすがにジェラルド・バトラーも歳をとったかな~という感じ。

身体に故障を持っている設定なので動きが悪いのかも知れませんが、逆にそういう設定にせざるを得なかった感じもあります。

 逆に驚くべき破壊力を発揮しているのが、初登場であるバニングの父親クレイ・バニング(ニック・ノルティ)。

 年寄りにもかかわらずお尋ね者の爆弾魔という設定から、真犯人のテログループを片っ端から爆破しまくる。これ、アブナイ爺さんではありますが、実に爽快(笑) 

クレイ・バニング(左)

 映画に対する評価はそれほどでもないのですが、初登場1位と予想を上回る観客動員を上げており、評論家よりお客が支持するタイプの映画。

 やはりみんな、難しい事言わずにスカッとしたいんだなぁ(笑)

◆allcinema ONLINEの解説から引用

 「エンド・オブ・ホワイトハウス」「エンド・オブ・キングダム」に続くジェラルド・バトラー主演のアクション・シリーズ第3弾。献身的に大統領を警護するシークレット・サービスとしての立場から一転、大統領暗殺未遂の容疑で追われる身となってしまった主人公マイク・バニングの運命を迫力のアクション満載に描く。共演はモーガン・フリーマン、ジェイダ・ピンケット=スミス、ダニー・ヒューストン、ニック・ノルティ。監督は「ブラッド・スローン」のリック・ローマン・ウォー。

 これまでシークレット・サービスとして数々の危機に立ち向かい、アメリカ合衆国大統領と世界を救ってきた英雄マイク・バニング。ついに大統領にまで上り詰めたトランブルの信頼も厚い彼だったが、もはや酷使してきた肉体は限界寸前で、引退を真剣に考え始めていた。そんなある日、休暇中の大統領が湖で釣りを楽しんでいるところへ大量のドローンが飛来し、爆撃を開始する。間一髪のところでドローン攻撃から大統領を守ったマイクだったが、意識を失いそのまま病院へ運ばれる。しかし意識を取り戻した彼は、大統領暗殺未遂容疑でFBIに拘束されてしまう。いまやあらゆる証拠がマイクを犯人と示していた。やがて隙を突いて逃走したマイクは、自らの疑惑を晴らし、巨大な陰謀に立ち向かうべく、ある男に協力を求めるのだったが…。

 

◆『ジェミニマン』
福島フォーラム:10月26日(土)鑑賞

 あなたは、もう一人の
 自分(クローン)と戦えますか?

 いきなりの大ネタバラシになってしまいますが、ウィル・スミスが年代の違う自分自身の三役を務める映画。

もちろんプロモーションでは二役のように見えていますが。

ジェミニマン

(C)2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

 DIAの凄腕スナイパーヘンリー(ウィル・スミス)は、技術の衰えを自覚して引退を決意。

 ところが最後の仕事で手にかけたテロリストは実際は分子生物学者であったことを知り、隠された真相を突き止めようとします。

 逆に真相を闇に葬ろうとヘンリーを付け狙うのが極秘特殊部隊ジェミニの指揮官クレイ・ヴァリス(クライヴ・オーウェン)。

 クレイが差し向けた刺客は、なんとヘンリー自身の若いクローンで、互いの手口を知り尽くした二人が丁々発止の闘いを展開します。

 暗殺者の方の若いヘンリーの動きが実意素晴らしい。おそらく顔だけCGのスタントマンでしょうが、なかなか見られない迫力あるアクションシーンが見られます。

 しかし、こんなふうにどこまでも追いかけて来る敵・・まるで第1作のターミネーターか筒井康隆の「走る取的」か、アクション・サスペンスには持ってこいのテーマだと感じます。

 しかも、ヘンリーは途中で追手が自分のクローンだと認識してからは、自分も負けたくはないが相手を殺したくもないという難しい状況に追い込まれます。

 そうした二人のやり取りも見どころの一つ。

 でも(三人目はともかく)、強敵の追手が自分のクローンであるという、本来ならば「謎」の部分が、最初からポスターやプロモーションでネタバラシされており、アクションは素晴らしいもののそれだけの映画になってしまいました。

タイトルにしてからが、双子座のジェミニですから。

 ということで、評価上も興行的にも失敗作。最低でも80億円以上の赤字となる事が確実視されています。

 ウィル・スミスって、時々こういう映画を撮っちゃうんですよね・・。

◆allcinema ONLINEの解説から引用

 ウィル・スミスが引退を決意した伝説のスナイパーと、それを狙う30歳近くも若いクローンという2役を演じるアクション・エンタテインメント。最強の暗殺者と、彼を倒すために極秘に生み出されたクローンとの壮絶な戦いの行方を、最新技術を駆使した驚異の映像表現で描き出す。共演はメアリー・エリザベス・ウィンステッド、クライヴ・オーウェン、ベネディクト・ウォン。監督は「グリーン・デスティニー」「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」のアン・リー。

 政府の下で数々の暗殺に手を染めてきた伝説のスナイパー、ヘンリー・ブローガン。ついに引退を決意した彼の前に謎の刺客が現われる。なぜか自分のあらゆる動きが予測されてしまい、苦戦を強いられるヘンリー。やがて彼は、アメリカ国防情報局の潜入捜査官ダニーの力を借り、謎の刺客の正体が、秘密裏に創られたヘンリー自身の若いクローンだという驚愕の事実に辿り着くのだったが…。

 

◆『アド・アストラ』
福島フォーラム:9月20日(金)鑑賞

 必ず、見つけ出す。

 宇宙飛行士のロイ(ブラッド・ピット)はある日極秘任務を告げられます。

 16年前に地球外生命体探査「リマ計画」のために飛び立った探査船が海王星付近で消息を絶ち、その付近から発せられている超強力なサージ電流のために、世界中の電子機器が誤作動を起こし人類は破滅の危機に。

 ロイに与えられた任務は、探査船に何が起きているのか明らかにし、地球の危機となっている探査船を爆破すること。

 しかし、その探査船の船長はロイの父親であるクリフォード(トミー・リー・ジョーンズ)で、しかも彼は生きているとの情報が。

アド・アストラ

(C)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

 上の写真にもある最初のシーン・・これは宇宙エレベータでしょうか。その軌道の点検をしているロイが作業中にサージが襲って来ます。

 宇宙船は大破。エレベータ軌道も崩壊し、ロイと同僚は地球へと落下。すんでのところでロイは命を拾うのですが、手に汗握るアクションシーンはほぼこれだけ。

月面上でのテロリストとの闘いや宇宙船内の格闘などもありますが、手に汗握るほどではない(笑)

 映画のテーマはむしろ哲学的なもので、宇宙の中の孤独やメンタル・チェックのために定期的に記録装置に向かって話す心象風景が綴られます。

ヘンリー(ブラッド・ピット)

 家庭を省みず研究に没頭する父の影響でヘンリーは他人と円滑関係を結べず、妻のイヴとも離婚しています。

 そんな父親が現在は人類の脅威になっているというのは本当なのか。何故、そんなことになっているのか・・海王星への道すがら、自分に問い続けます。

 ロイの宇宙船内でトラブルが発生し、宇宙服を着ていなかったロイ以外のクルーは全員死亡。それでもたった一人で海王星へ向かうロイ。

 到達した探査船に乗り込むと、そこで念願の父に再会。しかし、宇宙船内には外のクルーたちの死体が浮遊して・・。

 探査船のクルーたちは地球からの距離、宇宙の孤独に耐えられず反乱を起こし、その過程で反物質エンジンが異常作動。人類の脅威となっているサージ電流の発生源はこれだったのです。

 父は反乱を制圧するためにクルーたちを全員殺害。それでも「地球外生命体の探査」という目的を捨てることはできないと・・。

ヘンリー(ブラッド・ピット)

 「宇宙の中の果てしない孤独」・・その事が強く印象付けられる映画でしたが、地球外生命体は登場しません。宇宙戦争もありません。そういう期待をした観客は完全に肩透かしを食うでしょう。

 「SF超大作」とも呼ばれますが、精神の内面を追うこの映画にふさわしいのかどうなのか?

 ただ、言葉少ないブラピの「苦悩」の演技はなかなかのもの。そういう部分が評価されてかRotten Tomatoesの批評家支持率は84%、レビューの平均評価80/100とかなりの高評価。

 一方、観客動員は初登場2位となり、評価ほどの集客は得られていません。まぁ、これもよくある事ですけれども。

◆allcinema ONLINEの解説から引用

 ブラッド・ピットが人類の未来を託された宇宙飛行士を演じる近未来スペース・アドベンチャー・ドラマ。太陽系の彼方で消息を絶った父の行方と、彼をめぐる人類の存亡に関わる大いなる謎を追って自ら宇宙へと旅立つ主人公の姿を、静謐かつ圧倒的スケールの映像美で描き出す。共演はトミー・リー・ジョーンズ、ルース・ネッガ、リヴ・タイラー、ドナルド・サザーランド。監督は「エヴァの告白」「ロスト・シティZ 失われた黄金都市」のジェームズ・グレイ。

 地球外知的生命体の探求に人生を捧げた父クリフォードに憧れ、自らも宇宙飛行士の道へ進んだロイ。ある日彼は、探索の旅へと出発してから16年後に太陽系の彼方で行方不明となった父がまだ生きていると告げられる。しかも彼は、太陽系を滅ぼすほどの力を持つ極秘実験に関わっていたという。そこでロイは、父を探し出し、危険な実験を阻止するという人類の未来を懸けた過酷なミッションに臨むべく、壮大な宇宙空間へと旅立っていくのだったが…。

 ということで、今回の話題作5本・・特に点数は付けませんでしたが、絶賛できる作品は無かったように思います。

 間もなく上映される「スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け」に期待しましょうかね。ではまた~

 

/// end of the “cinemaアラカルト230「ターミネータ―:ニューフェイト+4”///

 

(追伸)

岸波

 ここでは原則劇場初公開の映画しか取り上げていませんが、最近はほぼ毎日、amazonのprimevideoで映画やアニメを観ています。

 今回のレヴューの中でも批評家による評価と実際の観客動員数が分かれるケースがありましたが、primevideoは観た人の採点なので、これで★4つ以上だとどれも楽しめる映画と感じます。

 映画に芸術性を求めるべきなのか、面白ければそれでいいのか、なかなか難しいテーマだと思います。

 実は「アド・アストラ」を観たきっかけは、primevideoでアニメシリーズ「彼方のアストラ」を観たから~という嘘のような話。

「彼方のアストラ」はマンガ大賞の大賞受賞作品で、そのTV化された本作も実に面白い。

 本来なら”血沸き肉躍るストーリー”が大好きな僕は、哲学的な作品を観ることは殆ど無いのですが、タイトルが同じなので気になってしょうがなかったのです(笑)

 やはり、無料で見放題のprimevideo最高!!
(月500円のKindle unlimited会員ならばprimevideoは見放題。)

 そんな中で今週ハマっているのがTVアニメシリーズの「PSYCHO-PASS サイコパス」。

 コミカライズでは第1期分の全巻を(Kindleで)持っていますが、TV版もなかなかのもの。

 主人公を入れ替えた第2期11本も全部観まして、現在放映中の第3期分に取り掛かったところです。

 海外の社会派SFですと、風呂敷を広げ過ぎて最後がグダグダになるのも多いのですが、しっかりと伏線を回収してしかも意外なエンディングに持っていくところは、さすが日本のアニメだと感心する事しきり。

 クレジットを見たら、脚本協力に冲方丁の名前が。うん、やっぱりね!

 

 では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !

「ターミネータ―:ニュー・フェイト」都内での来日記者会見

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト231” coming soon!

 

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