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「AUTUMN」(Music Material)

by 岸波(葉羽)【配信2014.11.3

 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 いっしょに、ドラ泣きしません?

 本日、エクスペンダブルズ3をケイコと観てまいりましたら、まだやっていた「どらえもん」。 

 え~凄いロングランだなぁと驚いたのも当たり前。この映画が封切られたのは8月の8日で、約3か月も前の事。

 しかも、僕たちはその封切り翌日に観ているのでございます。

STAND BY ME ドラえもん

(C)2014「STAND BY ME ドラえもん」製作委員会

 2014年8月8日(木)から10日(日)の三日間で動員は72万6739人、興収9億8825万7700円と、もちろん初登場一位。

 その後、五週連続で一位をキープし、公開40日目には70億円、76日目には80億円を突破し、2014年公開作品では堂々の一位となりました。

 これはやはり、忘れないうちに記録しておかねばなりますまい。

 ということで、「STAND BY ME ドラえもん」がどれほどよかったのか、ご紹介したいと思います。

 

「かなり泣けるらしいよ」というケイコの事前情報を聴いていたものの、さすがに夫婦二人で観るにはいかがなものかと思案していたところへ娘から電話が。

お父さん、ヒビたち『ドラえもん』が観たいって♪

ええ~やっぱりぃ! 

 どうにもこうにも逃げられないところへ追い込まれ、「任せなさい!」ということで、夫婦に娘とヒビキ、カナトを加え、5人で出かけました。

 すると・・・

STAND BY ME ドラえもん

(C)2014「STAND BY ME ドラえもん」製作委員会

なんだこの超満員は! 

 イオンシネマの8階フロアは未だかつて見たこともないような大盛況。切符を買う列が果てしなくトグロを巻いております。

 それでも、どうにか開演前に5人分の切符を購入し、座った座席は前から5番目の超・ワイドスコープということに。

 さて、そのストーリーは・・・

 何をやっても人並み以下という根性なしの主人公、のび太君の前に突如現れたのは、22世紀から来たという孫の孫セワシと猫型ロボットのドラえもん。

 聞くところによれば、のび太は将来、事業に大失敗し、子孫たちは悲惨な境遇で暮らしているとのこと。

 「それならば、ご先祖様の未来を変えてしまえ」ということで、タイムマシンでこの時代へ。

 猫型ロボットのドラえもんは、そのお目付け役で置いていくということだが、当のドラえもんは、余り乗り気ではなさそう。

 そこでセワシは、ドラえもんに『成し遂げプログラム』をセットし、目的を遂げるまでは未来へ帰れないようにセットしてしまいます。

 未来を変えるにはどうしたらいいか?

 ここでのび太は、ドラえもんに非常に気になっている事を問いただすのです。

 「ところで僕、将来誰と結婚するの?」

 その答えは意外や意外(でもないか)。ジャイアンの妹のジャイ子と結婚することになると言う。(ええ~!)

 慌てたのび太は、“自分の未来を変えて、是非、しずかちゃんと結婚したい”という想いで、ドラえもんと二人、『一人前の男』になるための努力を始めるのでした。

 (確かに、某日本車のコマーシャルでは、妻夫木聡君が扮するのび太君が奥さんのジャイ子に無茶ブリされて、世界各地を旅行するネタがありますが、これを踏まえたんですね♪)

 さて、未来変更の願いは叶うのか? その結末や如何に!?

STAND BY ME ドラえもん

(C)2014「STAND BY ME ドラえもん」製作委員会

 今回の「STAND BY ME ドラえもん」は、原作のエピソードから「感動的」とされたものを厳選し、新たなストーリーとして再構築したもの。

 藤子・F・不二雄生誕80周年記念作品とされています。

 脚本を担当したのは、あの「ALWAYS 三丁目の夕日」や「永遠の0」を手がけた“泣かせ職人”の山崎貴氏。

 彼に手抜きの仕事などあろうはずもなく、期待通り、(大人でも)きっちり泣かせてくれます。

 NEWSポストセブンのアンケート調査によれば、感動した場面として、「結婚前夜のしずかちゃんとお父さんのエピソード」と「のび太が1人でジャイアンに立ち向かうところ」が挙げられており、僕もこの二か所は号泣しました。(うっうっ・・)

 「結婚前夜のしずかちゃんとお父さんのエピソード」を挙げてしまうと、ジャイ子と結婚するはずだったのび太君が、願いを叶えてしずかちゃんとゴールインするということがネタバレになってしまうのですが、ご安心ください。そんな簡単にはいかないところがミソ。

 このエピソードは、結婚前夜にして、しずかちゃんが「パパ、あたし、およめにいくのやめる!!」と言うお話なのですから。ふっふっふ。

STAND BY ME ドラえもん

(C)2014「STAND BY ME ドラえもん」製作委員会

 「結婚前夜」のエピソードの前には、のび太とドラえもんがタイムマシンで未来へ行き、雪山で遭難したしずかちゃんを(その未来の)のび太に救い出させるという話があり、この事件を契機として二人は婚約することになったのです。

 (そうそう・・・ここで出てくる青年のび太の声~もちろん担当したのは妻夫木聡君でした!)

 そして、その結末を確認するために再び「結婚式当日の未来」へ行くはずが、機会の不調によって一日前に着いてしまい、ドラえもんとのび太が姿を隠してしずかちゃんの家を覗くと、衝撃的な発言に出くわしたのです。

 ここはね・・・・泣き所ですよ、ホントに。

 しずかちゃんが結婚を思いとどまろうとしたのは、淋しい思いをするだろうお父さんの事を想って。

 それに対して、泣かせるのは、しずかちゃんのお父さんの言葉。

 『のび太くんを選んだ君の判断は正しかったと思うよ。 あの青年は人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる人だ。それが人間にとって大事なことなんだからね。彼なら、まちがいなく君を幸せにしてくれると、僕は信じているよ』と。

 この言葉で、観客席の空気がさーっと変わります。

 隠れて見ていたドラえもんとのび太も、声を出さずに大泣きします。

 しかし、これで終わりではない・・・。

 そもそもドラえもんが「未来へ帰れない」のは、未来を変更するという役目の監視役だったから。

 結婚相手がジャイ子からしずかちゃんに変わることで、のび太の未来も変更されることになり、ドラえもんはのび太と別れなければならないのです・・。

 ココから後は、怒涛のストーリーとなります。

STAND BY ME ドラえもん

(C)2014「STAND BY ME ドラえもん」製作委員会

 ドラえもんが未来へ帰ってしまう最終話は、実はシリーズの最初の方、第一巻「ドラえもん未来へ帰る」で登場しています。

 何故、そのようなことになったのか?

 実は「ドラえもん」は、小学館の学年詩『小学一年生』~『小学四年生』などで1969年から連載されたもの。(※ほかに『よいこ』、『幼稚園』にも。)

 学年が進めば『小学五年生』(ドラえもんが連載されていない)になってしまうので、『小学四年生』の締めくくりとして、エピソードを完結させる必要があったのです。

 (次年度の『小学四年生』は、また新しいエピソードとして再スタートする。)

 このエピソードが、今回の「STAND BY ME どらえもん」のラスト・エピソードとなっています。

 ただし、『小学四年生』で連載されていた「ドラえもん」は、その後、『小学五年生』・『小学六年生』へと掲載詩が拡大され、長く小学生に愛される“日本を代表する少年漫画シリーズ”へと成長を遂げるのです。

 「アナと雪の女王」も素晴らしいですが、やはり日本の少年少女には「ドラえもん」・・・そんな気がしています。

STAND BY ME ドラえもん

(C)2014「STAND BY ME ドラえもん」製作委員会

 未来へ帰ってしまったドラえもん。

 その別れに心を押しつぶされそうになりながらも、成長していくのび太。

 まさに、「ドラえもん」は『成長の物語』なのでしょう。

 ・・・って、物語は、まだこれで終わらない? ええ~!!

 いったいどうなるんだ、この映画!?

 それはいつか貴方ご自身の目で確認なさってください。

 藤子・F・不二雄生誕80周年記念作品「STAND BY ME ドラえもん」。

 藤子・F・不二雄よ永遠に。

 そして、ドラえもんよ永遠に・・・。

 

/// end of the “cinemaアラカルト159 「STAND BY ME ドラえもん」”///

 

(追伸)

岸波

 「ドラえもん」の連載開始が1969年。

 指を折って勘定しましたら、そのとき僕は15歳。う~ん、まさに紅顔の美少年。(もちろん、ドラえもんを読む年頃ではない。)

 今年、富山県に出張した折に「高志の国文学館」を視察させていただいたのですが、ちょうど「まんが家 藤子・F・不二雄の『S(すこし)F(ふしぎ)』」企画展が開催されていました。

 「ドラえもん」はもちろん、「オバQ」、「パーマン」、「キテレツ大百科」など生涯にわたり第一線で活躍したその作品群の質と量に感嘆いたしました。

 思えば、氏が亡くなったのが1996年。

 机に向かって鉛筆を握りながら『ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』の62頁目を執筆中に亡くなられたそうです。

 最後まで、日本の少年少女の夢を形にすることをやめなかった藤子・F・不二雄氏の壮絶な人生・・・偉大な作家の生誕80周年に合掌。

 

 では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !

STAND BY ME ドラえもん

(C)2014「STAND BY ME ドラえもん」製作委員会

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト160” coming soon!

 

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