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その222

ギャグなし オチなし 別れのはなし

 前号で「異次元」のことを書いたが、XYZ軸の立体の空間、三次元の世界に私達は生きている。

 四次元は「立体の空間」に「時間軸」が加わる次元といわれる。

 時間軸というのは視覚的には理解しにくいが、実際の生活の中では確かに「時間」という実感はある。

「今でしょ」という言葉がはやったことがあったが、「今」は過去と未来の軸の中に瞬間としてある。

「人間は今という時間を生きなければ死ぬ」という言葉が、高校時代に読んだ本の中にあった。

 生きるということは「今、今」の今の連続で「今」は瞬時に「過去」に変異し、「今」から遠ざかる。

 過日、中学時代のミ二クラス会が東京であった。男子7名の参加だった。

 いつも参加していた紅一点の女子Iさんが、6月2日に亡くなり供養を兼ねた会になった。

 以前より年2回のペースで東京クラス会を実施しており、昨年11月の会にも彼女は参加し、普通に元気そうだった。

 体に異変を感じ医者に診てもらった時は、胆嚢癌が腹膜に転移して手遅れの状態だったらしい。

 亡くなったということは、彼女の「時間軸」が停止して過去の世界に消えていったのか。

 昨年11月の会は、東京クラス会のメンバーH君の快気祝いを兼ねた会だった。

 H君も癌になったが長期の治療の結果、無事に生還し今は一緒に酒を飲めるまでに回復した。

 あの会でIさんからH君へ、快気祝いの花束が贈られた光景を思い出す。

 福島で行われた合同のクラス会には一度も参加しなかった彼女だが、東京クラス会には、ほぼ参加していた。

 かつて私が福島の合同クラス会への参加を誘った時、「S君とH君が参加するなら、自分も参加する」なんて事を言ったので、「そんな子どもじみた事を言ってはいけない」と諭した事があった。

 岸波通信の私のブログをみて「つまらないオヤジギャグとダジャレばっかりじゃん」と彼女に言われたので、わざと意図的にそうしていると言い訳したこともあった。

 何でも、はっきり、ずばずば思う事を言うところがIさんの魅力だった。

 神田駅のホームで手を振って彼女にサヨナラしたが、あれが最後の別れになってしまった。

「最後の別れ」なんて、その時は誰も思わない。

 思い起こせば、私も「じゃあねー、またねー」と「最後の別れ」を何度かしてきた。

 若くして「昭和」に別れた友、一足先にと「平成」に別れた友、「令和」は多くの別れの時代になる。

 (2023.7.1)アンブレラあつし

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