「windblue」 by MIDIBOX


映画、ラーメンと続き、ベストランキングシリーズの第3弾はコンサート&オペラ。

 今年は、オペラ映画4本、ポップクラシックコンサート1回を入れて計51回。コロナ禍にもめげず私的史上最高を更新した。

◆第1位ウィーン・フィル11月3日
◆第2位ウィーン・フィル11月11日

 やはりコンサートではこの2つ。2020年同様有力海外オーケストラの来日が、ウィーン・フィルだけということもあり、2回聞いた。

 チケットはギリギリの入手だったが、やはり素晴らしかった。特にストラヴィンスキーの「妖精の口づけ」(11月3日)が最美。

 アンコールの「運命の力」序曲、(3日)「皇帝円舞曲」(11日)では何故かウルウル来てしまった。

 チケットは日本のオーケストラの4〜5倍だが、こういう「音」がこのオーケストラからでしか聞けないのだから仕方がないし、ぼちぼち冥土の土産を考える歳でもあるので奮発(3万9000円×2回)した。

 まあ、コロナ禍のおかげで家飲みばかりで飲み代と外食費が激減しているからこれぐらいイイだろう。

◆第3位京都市響&音楽監督広上淳一最終東京公演

 京響の音楽監督を退任する広上淳一の渾身のマーラー交響曲第5番に大感動した。

 この京都市立交響楽団の演奏水準の高さは在京オーケストラのベスト3(N響、読響、都響)と同程度だと思う。

◆第4位新国立劇場 ロッシーニ「チェネレントラ」

 オペラも来日公演がほとんどなく、新国立劇場も日本人キャスト中心だったが、主役の脇園彩を始め大いに楽しめた。

◆第5位新国立劇場 ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」

 新国立劇場としては、コロナ禍による2回の公演中止を乗り越えた執念の上演。

 恥ずかしながらこの楽劇の実演は初めてだったので、待ちに待った公演だった。ワーグナーの喜劇に浸った6時間だった。

◆第6位 辻彩奈&沼尻竜典指揮N響

 ヴァイオリンの辻彩奈は2021年の最大の発見のひとつ。この演奏会は詩曲とツィガーヌ。

 この他にも井上道義指揮都響でサンサーンス協奏曲第3番、阪田知樹とのリサイタルも聞いた。ただしリサイタルはイマイチだった。

◆第7位沖澤のどか指揮日本フィル

 新進指揮者ではこの沖澤のどかに注目した。

 彼女の現在の十八番のメンデルスゾーン「スコットランド」交響曲はスケールの大きな、楽想の隈取りが鮮やかな名演。

◆第8位井上道義指揮N響 シベリウス交響曲第7番&ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」

 来日できる外人指揮者が少ないために、日本人指揮者は大忙し。中でも井上道義は常任ポストがないからなのか、引っ張りダコ。

 このN響との演奏会もまさに75歳の井上道義の円熟した至芸を聞かせた。

 ただし演奏後のスピーチはやめた方がいいと思う。

◆第9位山田和樹指揮読響 R.シュトラウス「死と変容」

 ニールセン交響曲第4番「不滅」他 日本人指揮者のトップランナーに踊り出た山田和樹のアザトイぐらい光彩陸離たる演奏会。

◆第10位ラザレフ指揮日本フィル ショスタコーヴィチ交響曲第10番他

 やはりラザレフのロシアものは一味違う。

 知り抜いたショスタコーヴィチの交響曲は言うまでもないが、前半の福間洸太朗を独奏者に迎えたリムスキー・コルサコフのピアノ協奏曲が唖然とする名演だった。

◇次点ルドルフ・ピールマイヤー指揮武蔵野音大管弦楽団 ブルックナー交響曲第7番他

 音大オーケストラは、アマチュアオーケストラとは一線を画し、技術水準高い上に、演奏したい曲を選んでいるから、とにかく共感の度合いが半端なくて熱い。

 感動ということならこのブルックナー交響曲第7番が2021年で一番だったかもしれない。

(2022.1.21「岸波通信」配信 by 三浦彰 &葉羽

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