「windblue」 by MIDIBOX


TV録画(TBSチャンネル2)で「落語研究会」を視聴。

 落語研究会はTBSの番組だが、このチャンネルでは、歴史的公演を放送してくれる。最近の落語公演にはすっかり興味をなくしている私には実にありがたい番組だ。

 今回の演し物は三遊亭一門を代表する噺といってもいい「寝床」。しかも演者は昭和の名人三遊亭圓生!

 永久保存してもいい録画である。いつもながら本当の意味での名人芸である。

 さらに噺が終わって、ブンさんことアナウンサーの山本文郎さん(1934〜2014)を相手にした解説役の榎本滋民氏の解説に私は膝を打った。

 この商家の義大夫狂い旦那がなんで御簾に入って下手くそ義太夫を唸るのか、今までずーっと疑問だったのだが、この榎本氏の「裃がネズミに食われていてみっともないので、それを隠すので御簾に入ったんですね。圓生師はその一節を付け加えていますね」の解説には驚いた。なんという博覧強記。

 で、榎本滋民(1930.2.21〜2002.1.16)のwikipediaを見てみた。劇作家、演出家、小説家とある。

 クモ膜下出血で死去という記述があったが、自宅が火事で全焼し焼死体で発見されるという記述もある。どうもこちらが本当らしい。

 なんということか。こんな人がそんな死に様だったなんて泣けるなあ。もったいないことだ。

 最近の落語研究会の解説は、京須偕充(きょうすともみち)氏(1942月11月12日〜)がTBSの女性アナとやっていて、京須氏も詳しい方だがやはりレコード会社のディレクター出身だ。

 榎本氏は創作者であり一回り年長。古典芸能に関する造詣ではもうひとつレベルが上という感じなのだ。やはり年の功というのかしら。なんかこの年代の人というのは、凄みが違うという気がするのだ。

 芸や知識の身につき方が半端じゃないのである。圓生師にしても榎本氏にしても。

 そう言えば、長生きしたイメージの圓生師だが、圓朝が亡くなった1900年に生まれ、自身の79回目の誕生日に千葉県習志野市に新しくできた圓生後援会のために出向き一席演じたあとに楽屋にて心臓発作で亡くなった。79歳というのは、今ならまだ若い。

 上野パンダが同じ日に死んで、翌日の社会面では、パンダの死の扱いの方が大きかったという笑い話がある。

 圓生門下がよくやる枕のひとつだ。

(2020.8.28「岸波通信」配信 by 三浦彰 &葉羽

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