02 忘れたことさえ 覚えていない
城戸みゅき
|制作年|2010| |材質|紙・テグス|
喜多方市の下町郵便局の二階への階段を上がると、そこには異世界の風景。
中空に浮く巨大な円盤と見えたのは、実はミニチュアの屋根たち。見えないテグスに吊られた無数の屋根が円形に広がり揺らめいています。
それはさながら洪水に呑まれた街並みの記憶。忘れようとしても忘れられないその痛みが“覚えていない”ほどに癒されるのはいつの日か。