その69
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  引っ越し (詩:葉羽)

 壁の時計を外す
 この部屋の時が止まる
 カレンダーを剥す
 この部屋の歴史が消える

 僕は本を束ねている
 君はコンロを磨いている
 昨日までの想い出を数えながら

 カーペットを剥す
 この部屋の表情が消える
 鉢植えを仕舞う
 この部屋から気配が消える

 笑い転げた日も
 悲しみに暮れた日も
 そっと記憶にしまい込む

 ダンボール箱を持ち上げて
 ふいに僕が笑うと 君は怪訝な顔をする
 あはは 何でもないんだよ!

 君が箱に書いた「なべ」という文字が
 とても可愛いくて・・・

 さあ また新しい生活が待っている

Poem by 葉羽
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