その295
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  「風立ちぬ」より忘れじの台詞 (詩:葉羽)

 絵の才能に恵まれ
 夢見る少女だった菜穂子は
 震災で実家を失い
 結核に蝕まれて夢を失う

 篤志家の黒川邸に身を寄せた彼女に
 次郎が結婚を申し込みに来ると
 菜穂子は結核を告白し
「病気を治すまで待ってくれますか」
 と切ない決意を込めて問う
「もちろん、100年だって待ちます」
 次郎は菜穂子を真っ直ぐに見つめて言う

 そうして結婚を許された二人だが
 菜穂子の病状はますます悪化し
 サナトリウム入所を余儀なくされる

 次郎の試作機が完成し
 飛行試験を迎える朝
 既に病状が深刻化していた菜穂子は
 ひとりサナトリウムを抜け出し
 精一杯の身繕いをして
 黒川家で次郎を見送る
「行ってきます」
「行ってらっしゃい、あなた」
 それが二人の最後の会話となった

 菜穂子は置手紙を残し
 密かに次郎のもとを去る・・
 黒川家の婦人が涙をこらえながら呟く
「美しいところだけ好きな人に見てもらったのね」

Poem by 葉羽
 MP3 by 音楽の卵 "同じ空の下"
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   Photo by スタジオジブリ ”風立ちぬ/菜穂子”

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