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 #129 マロン

むかしうちにもマロンってマルチーズいましてね。

マロン

 5年前に14才で星になっちゃったんですが。
 それはそれはかわいいわんこでね。

 どんだけかわいかったかっていいますとね、
 ペットショップでうちの奥さん一目惚れ。

「こらぁマルッ!ちっとは愛想よくしろ!こらっ!」

 どうも店主にいじめられてるらしく、ぺしゃこーんと伏せたまま
ずっと震えています。

 これはかわいそうだわかわいいわで、もう即決。

 で、うちに連れて帰って可愛がってたところ・・・あらっ!

 何か気になったらしくペットショップに電話です。

「もしもし!何か・・何かおまたについてるんですけど!」

「そりゃあオスだもの、ついてるものついてっぺした」

 奥さんたら、あんまり可愛いんで女の子だと思い込んじゃったみたい。~というくらい可愛いかったと。

(ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)

 でもね、ペットショップでの記憶が離れていかないのか、なかなか人になつかないわんちゃんで。

「マローン」 呼んでも来ない。

「マロチーン」 可愛く呼んでも絶対来ない。

「マロノスケ~、マロザエモ~ン、マロノジョ~」 難しく呼んでもやっぱり来ない。

 まあ、これだと呼ばれた認識なかったかもしれない。

 かと思うと、呼んでもないのにいつの間にか横にくっつかってたり。

 もーどんだけだよーツンデレかよー・・ってデレデレになるっていうね。

(ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)

 散歩に連れてくとこれがまた。

 一切周りを気にしない。

 ひたすら前だけ見て歩く。

 猫がいても気にしない。

 犬が吠えても気にしない。

 ご近所さんがいても気にしない。

 ので「こんにちはー」って言ってもひたすら歩き続けて引っ張られるので、「はー」の時にはご近所さんはるか後ろだったりね。

 ええ~!( ̄□ ̄#)!!

(ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)

 そんなこんなで楽しく過ごしてたんですが、ある時大病を患ってね。 なんだかおなかがぽんぽこりん。

 マロチン(マロンよりこのほうが気に入ってた)ごはん食べすぎじゃない? ・・いやいやそうじゃないなコレ。

 で、あわてて病院に連れて行ったら、脾臓に腫瘍があります。手術でとったほうがいいです、ってことになり予約をしてさあ手術日。

 あれはそう、忘れもしない・・え~っといつっだったかな?

 ヾ(--;)ぉぃぉぃ

 あの~その~確か秋(ざっくり)(お約束)。

 2時間以上かかる手術。待合室で待ってたら、先生の奥さんが気を使ってくれて、「テレビつけておきますね~」って。

 いやいや今はそれどころじゃあら女子バレーよーし頑張れニッポン沙織いけー!

 よーっしゃきまっ・・・いや静かにしなきゃね。

 ゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ

(ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)

 およそ2時間後、はい終わりましたよー、これが取り出した腫瘍です。って、ゴルフボールより一回り大きいくらいの見せられて。

 あの小っちゃい体にこんな腫瘍あったんだもの、ひどかったね、つらかったろうね、大変だったねって、ちょっと涙ぐんだり(ほんのちょい前女子バレーに夢中)

 そんで、そのまま入院。

 んで、2日後くらいに見にいったらふらふらと立ち上がるのね。

 あら意外と元気じゃ~んとか思ったら先生が

「ご主人様がみえると、
   僕は元気だよーって頑張るんですよねー」
って。

 ・・・泣く。 (TmT)ウゥゥ・・・

 あんなに腹ざっくり切っても4,5日で退院なのね。びっくり。

 退院の日家で待ってたら、奥さん連れて帰ってきました。

 マロチンお帰りーっていう間もなく、たたたたって走ってくるもんだから、おいおい腹切ったばっかなんだから無理するとまた開いちゃうからなんて言いながら、そーっと抱っこしてこたつの上にのっけたら、すぐさまぴょーんて飛び降りるっていうね。

 マロン平気な顔してんのにこっちがおなかおさえてうずくまりますって。あたたた。(T△T)

(ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)

 そんな大病しながらもそれから3,4年生きたかな。

 最後の方はね、やっぱり人間より老いるのが早いから、みるみる弱っていくのね。あれはさみしいもんだね。

 で、だんだん動けなくなって。

 そして、いよいよかなっていう日の夜、
 奥さん、抱っこしてよーく撫でて、

「ねえ、明日の朝マロンのこと見てね。もしもの時はすぐ私に言ってね」

 私は朝が早いので、目が覚めて一番にマロンを見に行きます。

 部屋に入り、ゲージの前に行くと、ぴょこっと顔を上げて私を見て、すぐにまた眠ったようでした。

 とりあえず安心して準備して仕事に向かいました。

 店に着いて、着替えをして、さあっ、って思ったとき
 奥さんから電話がきました。

「今、マロン、死んだよ・・」

「えー!ほんの15分前、顔上げて・・」

「私が下りてったら、マロン
 ぐーって頭上げて、首を伸ばして・・
 だからすぐに抱っこしようと思ったら、
 もう首も支えられない感じで・・
 だからね、頭に手を添えて、マロン、マロンって
 撫でてたら・・口をパクパクって・・
 そして動かなくなっちゃた・・」

「そうか、最後はちゃんとご主人様の顔見るまでって
 頑張ったんだね・・
 きっと最後のパクパクって、
 あ・り・が・と・う、だったんじゃないかな・・」

 うんうん、きっとそうだよ、
 ありがとうって言ったんだよ、
 ご主人に・・・

 あれ?・・ってことは
 顔を上げて私をチラッと見てすぐにおろしたのは・・

  おまえじゃなーーーい! ( ̄。 ̄)σ

 ってこと??

 ちゃんちゃん。

(ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)

ちなみに今うちにいるペットさんたち。

小梅。世界一かわいい。

あずき。面白い。小梅の2こ下。

・・つよい。

(ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)

         


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