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 #110 割り込み

大震災直後には、お客さんが店に殺到しまして…。

「みなさーん、お待たせしております。
 どうか慌てないで、列をつくってくださーい!」

 レジが見たこともないような大混雑。

 いろんな商品が飛ぶように売れていきます。

「慌てなくてもダイジョブですよ~
 商品はすぐに入荷しますから」(多分だけど…)

 でも、この地域のお客さんは大変礼儀正しい。

 誰一人文句も言わず、キチンと並んでくれています。

 うーん、ここで店を開いてよかった。(うっうっ…)

 と、その時!!

 飲み物を大量にカゴに入れたオバサンが…

「ワタシ急いでんのよ!ちょっとお願い!」

 ~と、モーレツな勢いで横から割り込み。

「あの、スイマセン。
 すぐにやりますから、列に並んでください」

「だから急いでるって言ってるでしょ!
 時間ないのよ、ワタシは!!
 いますぐ飲みたいの。死にそうなのよっ!」

 (えー!死ぬのかい!)

 周りのお客さんが白い目で見てるのも意に介さず。

 うーん、困ったぞ。

「あの・・オレいいですから、どうぞお先に」

 先頭のお客さんが譲ってくれたので、仕方なくそういうことに。

 (しばらくして、波が去りまして)

「いるのよねー、ああいうオバサン」

「他人の迷惑、関係なしだもんな」

「あ、オーナー!さっきのお客さんですよ!」

「!!!!!!」

「あのねー、さっきのコレだけどね…返すわ」

「ええー!急いでたんじゃないんですか?」

「コレ、炭酸でしょ?
 ワタシ嫌いなのよ炭酸、やっぱいらないわ」

 !!!!!!

 死にそうなの、誰だっけ!!

(ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)

         


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mp3「傷だらけの天使」