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"春への憧れ" by 甘茶の音楽工房

【三日目2005.05.01深夜~早朝:’100$’s LOVER’】

 二人でラーメンを食べた、彼女の横顔が美味しかった!
 二人でカクテルを飲んだ。

「XXXXさんはねぇ・・・・・・・」

 なんか僕を評論してやがる。
 バァカ、そんなこたぁ本人が一番良く判ってるさ!
 よけいなお世話!

 最後に入ったお店で、ウィスキーを飲みながら
 彼女は疲労にスウスウ寝込んでしまった・・・・
 僕はお気に入りの猫のトレーナーをかけてあげて、
 その天使のような寝顔を見ていた・・・・・・
 時間よ止まれなんて思っちまったい!

 mid-night angel の寝顔に僕は思った。
 ああ、俺はこの娘にはかないっこないやぁ~
 なんて、パワーに満ちた歴史を刻んでいることやら・・・・
 まして、俺の手におえるシロモノでもなさそうだし、
 やっぱり、夢だったことにしよう・・・・・・・

(恋をしました・・・・・
 なんだか二日ぽっちで終わっちまったみたいです)

 退屈そうな僕に、マスターがピアノを弾いてくれた。
 なんだか、ジャズの有名なナンバー。

 

 ふと、目を醒ました彼女が

「ねぇ、もう帰っていいよ・・・・」

 それが、オフだよ、もう消えてって意味なのか、
 御免ね突き合わせてって意味なのか、
 あるいは、それ以外か僕には判らない。

 もう、どうでもいいや、
 僕は彼女の生き方を愛したから・・・・・・

 だけどね、MIDY、そんなに命を削る程、
 頑張らなくていいんじゃないかぁ?

 再び、寝込んでしまった彼女がやっと目を醒ました。
 フニフニ・・・

「マスタがピアノ弾いてくれた!」

「良かったじゃん!」

 彼女は僕がピアノの音が好きなのを知っている・・・・・

 TAXIで彼女を家まで送って行った。

 猫のトレーナーを奪い返して・・・・
 BACK-WINDOWに小さくなっていく彼女を見ていた・・・・・・

 

 100ドルぽっちを握り締めて
 彼女の元気な顔を拝みに行く習慣が
 しばらく続くかもしれない・・・・・・

【三日目2005.05.01朝:’エピローグ’】

 玄関で里帰り中の姉が待っている。

「ヒデユキちゃん、なにしてたの???」

「うっせぇなぁ!ガキの頃みたいに悪さしちゃいねぇよ!」

「なぁ、姉ちゃん頼むから、そのチャン付けやめねぇ、
 大人なんだからぁ!」

「飲み屋にきれいなオネエチャンが居てさ、
 帰れなくなっちまっただけだよ!」

 姉とは比較的仲が良い!

 聞きつけた兄が言う。

「馬鹿かぁ、オマエは!?」

「薄暗い店でみるから綺麗なんだぞ!」

「お天道様の下でスッピンで見たらバケモンばっかりなんだぞ!」

「・・・・・・・・・」

 違うよ兄ちゃん!
 僕は今、彼女の全てを見てきたつもりでいるんだよ!
 ほっといて!

 あれっそういえば、あのつかの間の睡眠は、
 危険回避の寝たふりだったのかなぁ???????

 まっ、どうでもいいかぁ!!!!

 三日間48時間の内、実に36時間を彼女と過ごしたことになる。
 外野も沢山居たけれどね・・・・・・

 MIZO画伯にお願いした、彼女の星の絵は
 きっと彼女の手に届くことなく、
 僕の書斎を飾る事になるだろう。

 そして、彼女のTELPHON-NOも
 僕の携帯に打ち込まれる事はなく
 机の片隅にMEMOのままずっと眠ってしまう事だろう。

 いったい、いつになったら、本当の恋が出来るのだろう・・?
 まぁいいかぁ!なるようになるさ、Let it be!

【2005.6.4】 by 朱雀RS

 


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