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"春への憧れ" by 甘茶の音楽工房

【一日目②2005.04.29夜:’MID-NIGHT LADY’】

 二人でMIZO画伯のギャラリィへと向かった。
 展示会を見て置きたかったし、ギャラリィを訪れるのは初めてだ。
 ずっと不義理で念願だった。

 あ~あ、閉まってる。
 すると、一台の車が脇にぴったり寄せて止まった!!!
 あああぁ~MIZO画伯だぁ~!!!
 僕のTTを見つけて引き返して来たんだと・・・・・

  イメージ画像

「閉めちゃったんだけど、見てくかぁ?」

「うん、わりぃ!」

 MIZO画伯が誘ってくれた。

「俺の家で飲みますか?」

「うん!」

 彼女は用事があったらしいのだが、ついて来てくれた。
 どれだけの事を話して、何を感じたのか覚えていない。
 途中、写真家S一も顔を出して、結構盛り上がった。

 S一が言う
「朱雀、オマエなぁ、いつまでも過去を引きずってちゃ駄目だぞ!」

(うるせぇ、このやろぉ、ほっとけぇ!)

 相変わらずに僕の事は心配でいてくれるらしい。
 やがて宴も終わり、雑魚寝してしまった。
 ふと、目を覚ますと彼女の寝息が聞こえる。
 こいつぅ~悪魔の癖して、まるで天使みたいな寝顔じゃねぇかぁ~

 フニャフニャ、お休みなさいぃ。
 明日の朝には、僕等はまた離れ離れになる。
 そんな、小さな出会いだった。

 絵を描くこと、本が好きな事・・・・
 そして、夜の街で生きていることを知った。
 なんだぁ、懐かしい香りがする筈だ!

【二日目2005.04.30朝:’SAYONARA’】

 朝になっちまったい!
 MIZO画伯と彼女は既に起きていた。
 MIZO画伯は画廊に行くと言う。
 彼女と僕には外せない用事が有った。

 MIZO画伯がお茶を出してくれたのが、なんだか嬉しかった!

 

「彼女の星と僕の星の絵、2枚描いてね!」

「うん、判った。」

 なにかしら記念が欲しかった。
 とりあえず彼女を送って行くことにした。

「朱雀のコーナー読んだよ!」

「えっ・・・ああ、お恥ずかしい!」

「朱雀は女だね!」

「えっ・・・・・」

(そりゃぁ、女々しいところは沢山あるし、優柔君だよ、俺は・・・
 だからってなぁ、オマエみたいななぁ男女に言われたかないぞぉ~!
 御願いだから、繊細だとかナイーブだとか言って!)

「また、会いにくるよ!」

「うん、その時は時間空けるね!」

「握手!!!」

「ああ、じゃぁねBYE-BYE!」

 握手をしてその場所を後にした。

 ファオオ~ン、ああやっとアクセル全開だ!
 気持ちいいぃ~!
 TTも心なしか、気持ち良さそう!

  AUDI TT

 心の中でSAYONARAを言っていた。
(これで終わりなのか・・・)

 まぁいいかぁ!なるようになるさ、Let it be!

【2005.6.4】 by 朱雀RS

 


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