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BGMは「Fair Wind」
TAM Music Factory
 by朱雀RS朱雀RS

 



habane葉羽
 今回と次回の「負けた日」は、交通事故の後遺症のため、一度はスピードスケートの道を断念した朱雀RSが、アスリートとしての新たな挑戦をすることとなるスキーとの出会いの話です。

 「600MILEに負けた日」同様、ストーリーがかなりの長編に及ぶため、前半部分の「朱雀をスキーへと導くことになるキーマン(&キーウーマン)との出会いの話」を、葉羽の独断で一編にアレンジしました。

 

1 大切な宝物

 専門学校に入って、ようやく落ち着いた日々を過ごす様になっていた。

 実習講師をしていた時である、なれなれしく近づいてくる学生が居た。

 ‘朱雀さん、これ実行してくれない?’

 ‘本当は駄目なんだぞ!、今晩、処理しといてやるよ。’

 僕はコンピューターの管理を任されて、自由に使える立場にあった。

 だから実習時間以外のズルッコには、慣れっこになっていたのだが・・・

 ‘オイオイ、O田君! 何人分あるんだよ、これぇ〜?’

悪魔  (まとめて、持ってくるなよなぁ〜たくっぅ〜!!!)

 

 O田は遠慮の無いおとこであった。

 思えば、この頃、O田をはじめ、いろいろな学生たちがいた。

 I内、M崎、ETC・・・・・N岸・・・えっ、N岸ィぃ〜!!!

 青森出身のその娘は、雪女のようにマッシロシロスケで・・・・

 雪のような肌ってこういう事を言うんだなァ〜

 美人ってこういう娘のことをいうんだろなぁ!!!

(←も、もしや、いつものパターンかっ?!)habane葉羽

 

 そんなある日、O田が・・・

 ‘実習の時、いつもチラチラ見てるでしょう!

 紹介して上げるよ。’

 ‘この課題が上手くいったら、N岸が朱雀さんに手料理御馳走してもいいって言ってたよ!’

 と言う。

朱雀RS(えっ、そう、そうなの・・・・・・・。)

 イヤイヤ、イケン、僕には大阪に好きな人がいるもの!!!

 ‘冗談だろぉ〜、遠慮しとくぜ!’

 危ういところで、踏みとどまった。(ホッ・・・)

 

 そんなことがきっかけで、僕等は兄弟になった。

 僕は大切な宝物を同時に二つ手に入れた。

 生涯を通ずる友人に出会う事が出来たのだった。

 一人はO田ナオ、まるで秀才を絵に描いたような奴だ。

 知合うにつれて、僕とはコインの裏表のような存在であることが判って来た。

 そしてもう一人はN岸アッチ、青森産の雪女だ!

 彼女のことは、妹分に任命した。

 そして彼女は・・・

 滅茶苦茶、料理が上手い!

 良く仲間で飲みに行っては、最後にアッチの手料理をゴチになった。

 アッチの部屋は学校から近かったので溜まり場のようになっていた。

 そんな折、大家さんからの苦情と、もっと勉強したいという理由でアッチは引っ越すことになる。

 

2 突然の電話

 引っ越してしばらくたったある日、電話が鳴った。

 ‘朱雀氏ィ〜、朝御飯食べにおいでェ〜!’

 この‘ィ〜’がたまらない! フニャ!

 に骨抜きになってどうするぅ!!!

 ‘あれぇ、そういえば二人きりなんて始めてじゃないかぁ〜’

 フニャフニャ・・・・・

悪魔 (これは、ひょっとして・・・・・・????)

 ほんとに、男ってばどうしようもない生き物である。

 イヤイヤ、イケン、僕には大阪に好きな人がいるもの!!!

 すんでのところで、踏みとどまった。(ホッ・・・)

 まぁ、取敢えず、僕は車のアクセルに蹴りを入れた!

 ぶおおぉーん!

(←踏みとどまったにしては、急発進だけど?)habane

Powerd by Colt−Speed

Powerd by Colt−Speed

(←多摩丘陵を駆け抜ける当時の愛車!)

 

 読売ランド前の丘一つを越えてアッチのもとへと・・・・・

 ヤットコラサ・・・エットコラサ・・・

 朝メシィ〜!!!

 ’オッハヨ〜! アッチィ、メシ食いさ来た!!!’

 ’おはよう、ユキ!’

 ・・・って、なんでだよぉ〜!!

 僕を名前の後ろで呼ぶのは、ナオしかいない!!!

 なんで、オマエがここにいるわけぇ?????

 しかも、パジャマ姿でぇ・・・・・

 自失呆然!!!

 

 ’朱雀氏ィ〜、というわけでした!’

 なにがトイウワケなんだよぉ〜 このバカ娘っ!!!

 仲間内の恋愛は御法度でしょう〜

朱雀RS(ナオちゃん、僕に紹介してくれる約束だったよねぇ〜?
 大昔の約束らしいけれどもォ〜!?!?!?)



 ’ハイハイ、オメデトさん、末永くね!はいはい!’

 だいたい、君達ねぇ!!!

 僕の大切な人との始めてのスキー旅行の時、なんで、偶然、遭ったりする訳ェ????

 八方だよ、ハッポウ!!!

 邪魔するなァ!!!

 お前らなぁ、苗場ででも滑ってろよぉ!

 様子なんか見に来てんじゃぁねぇよ!

朱雀RS(ホントニ、たくっぅ〜!)

 

 やがて、ナオとアッチは結婚した。

 光栄にも僕は、司会を務めさせてもらった。

 彼等の新居は埼玉県朝霞台の公団だった。

 ‘朱雀氏ィ〜、引っ越してくればぁ!’

 と妹が言うので、僕もその階下に引っ越した。

 何故って、関越自動車道の近くにあるその公団はSKIにとっても都合が良いのだ。

 ナオはSKI仲間でもあった。それにアッチの手料理が食べられる!

朱雀RS(一石二鳥である。)

 ということで、生涯の友人夫婦を得た僕だったが、この時はまだ自分が、彼らの導きで再びアスリートへの道に挑戦することになろうとは考えてもいなかった・・・。

(to be continued⇒)

 

BY 朱雀RS (2004.11.9)

朱雀RS

今日も風をあつめて

(朱雀RS)

 

 

◆ 前作男の8「甘言雑言に負けた日」についてのコメント ◆

朱雀RS朱雀RS

 読み返していたら・・・・
 思い出して腹が立って来てしまいました。

 自分を怒るべきでしょう!
 KINGS−ROADなんて無いのだぞと・・・

 結局、地道に積み上げて行く事が、最大の近道なのだと!

 天才って、きっと、努力を一杯する人達の事なんだと・・・

 葉羽氏、いつもながら
 編集と校正を有難う御座いました。

 みなさん、甘い言葉には気をつけよう!!!

habane葉羽

 人生、不思議なもんで、ほんの偶然の出会いが自分の生き方を大きく動かしてしまうことがある。

 負けっぱなしでは終われない。

 立ち上がるチャンスは何度でもあるんだ。

 人事を尽くして天命を待てば、気まぐれな運命の女神も微笑む時がある。

 それを確実に掴むことが大切だと僕は思う。

 だから・・・

 どんなことがあっても“泣いてたまるかっ!”

 頑張れ朱雀RS。僕たちは君を応援する。

 

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