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BGMは「Fair Wind」
TAM Music Factory
 by朱雀RS朱雀RS

 



 元来のロクマモンである。

 大学受験など、当然の様に失敗していた。

 予備校に通う為、東京都杉並区西荻窪にアパートを借りた30m程先には、兄のアパートがあった。御目付け役である。

スケートline

 

 何の目標も無かった・・・ただ日々が過ぎ行くのを見つめていた。

 しかし、なんだね、予備校生ってのは暗いね。

 まるで、世の中の不幸を全て背負ってしまったみたいな顔してさ・・・・

 親の銭で、この時間を過ごせるんだから、感謝しなくちゃぁ!!!

(いけね、人一倍、親に散財させてしまっているのは自分だった。)朱雀RS

 しかし、時計仕掛けでグレーのスーツ着て青白い顔で電車に揺られているおじ様達より、

 「よっ、オクサン、今日も色っぽいね!!大根いいのあるよ!」

 とハチマキ姿で、声を上げるオニイチャンの方が幸せそうに見えるのは僕だけだろうか??? 僕は行く先も決まらぬまま、迷走していた。

スケートline

 

 

1 運命の人、現る。

 やがて、お決まりの大事件が起きてしまった! 不覚にも一世一代の恋愛をしてしまったのだ!

(あれぇ〜一世一代ってば、何代あるんだぁ?)朱雀RS

 西荻に住む様になって、義兄弟のS一が良く泊まりに来るようになった。

 世田谷のどっかで住み込みでコックの修行をしている彼は、息抜きをしては、僕の部屋に泊まりにくるのだった。食事は良く世話になっていた。

悪魔 (悪魔の声)
コイツ、F県の名門 F校出て、コックだぁ????
コイツ、バカだぁ〜!!

 でも、それが、うらやましくもあった・・・。(うっうっ)

スケートline

 

 ある日、S一「おい、山行くぞ!」

 気分転換にいいかと同行したのが、運のつき、2〜3日のつもりだった!

 1ヶ月も滞在することになろうとは・・・思いもよらなかったのだった。

 八ヶ岳の麓の山小屋でS一小屋番と化していた。

 ボッカという背負子で荷揚げしたり、薪を割ったり・・・・なんだか、牧歌的な穏やかな日々を過ごしていた。

山小屋 ’青苔荘’

(Photo by 朱雀RS)

 そしたら・・・ 来ちゃったんですよ、運命の人が!

 大阪の枚方から来たという、その二人組の女子大生は関西外語大学の二回生だった。

 僕は眩しくて近寄りがたかったのだが・・・・アホのS一が居る、恐いもの知らずだ。

 同世代でもあり、すぐ打ち解けてしまったのだった。

スケートline

 

 

2 地上の天使

 S一はアホのくせして良くモテル!

 岩城晃一をちょっとだけ間抜けにした感じで外観は良い!

 美人のT秋チャンS一と過ごすのがほとんどだった。

 あぶれたE美チャンは、まぁ仕方無く一緒に居る事となったのだった。

 が、芯が強く気の強いE美チャンは、女・女した感じで・・・・なんだ、そう、ブリッコだったのだ。

 うんにゃ、雰囲気美人であった。

 立ち居振舞いがめちゃ可愛いのである。

 首をかしげては・・・・・胸キュン! あれっ!?

 プンプンしては・・・・・息がつまり! あれっ!?

 微笑んでは・・・・・・・心臓ドッキンコ! あれっ!?

 ほんとに、男ってえ、生き物はどうしようもないもんだね!!!

スケートline

 

 二人は、峠に登りたいと言ってきた。

 ’にゅう’という、その峠には小屋から3時間程かかる。道など無い、原始林の木々に目印の赤いテープが巻いてあるだけだ。

 朝日を見るには午前3時に出発しなければならない。S一は、ガイド役もこなしていたので、当然、同行する。

 木々を分け、岩肌を登りエッチラオッチラ・・・・・

 手を貸し、水を分け合いエッチラオッチラ・・・・・

 辿り着いた’にゅう’で岩に寄りかかるE美チャン

 朝日を逆光に背負い、まるで、地上に降りた天使のようだった!!!

 全身崩壊ぃぃ〜!!!

 ハイ、参りましたぁ〜

地上に降りた最後の天使

【E美ちゃん】

(Photo by 朱雀RS)

 二人は一泊の予定だったが、一週間程滞在して大阪は枚方へと帰っていった。

 僕に‘お砂チャン’ってニックネームを残して・・・・・

 子供の称号でガキジャリってのがあるけど、砂利にもなれない位、子供っぽいので、‘砂’なんだと・・・・・・

(お〜い、砂利になれないのは’岩’だろう!!!)朱雀RS

 結構、気に入ってしまった’お砂チャン’であった。(SANDY と呼んでね!)

スケートline

 

 

3 初めてのデート

 ウーン、このまま終わってしまって良いのか・・・・・うんにゃ、僕は実はマメタである。

 二日と空けずに手紙を書き続けたのであった。

 実はE美チャンには、ポパイなんてふざけたあだ名のがいるらしいが、構うもんかい!!!

 手紙は、ペースを変えずに5年間程、書き続けたのだった!

 

 枚方へも’山の仲間’としてではあるが、何度か会いに行った。

 学園祭というので、S一と僕の凸凹コンビは大阪へ向った。

 S一とT秋チャンは神戸に行くと言う。

 E美チャンは京都を散策する事となった。

 ‘あれっ、皆一緒で良いじゃない??’

 相変わらず、女心の判らない僕ではあった。

スケートline

 

 初めてのデート・・・・・

 清水や、五重塔を見てまわったのだが、E美チャンの横顔ばかりを見ていた。

 すると、突然の雨に見まわれてしまい、僕は、ジャケットを彼女の頭から被せてずぶ濡れになった。

(う〜ん、僕ってばカッコイイ!)朱雀RS

 逃げ込んだのは、四条のライブハウス「時代屋」

 キー坊(上田正樹)のサウストゥサウスハッピイエンドや大塚正次のディランUがかかっていた。

 彼女を枚方のアパート迄で送って、始めてのデートは終わった。

=*= 窓灯り =*=

by 中野 督夫 (in Centimental-City-Romannce)

後ろ髪を引かれ じっと耳を澄ますのです
あの娘の家の窓明かりを 振り向きかえる秋の道
見えなくなった曲がり角 ひとつ灯りが 寂しいのです

後ろ髪を引かれ じっと耳を澄ますのです
風が足音を 遠くへ 遠くへ 運んでしまうのです

あの娘の家の窓明かりを 思い出しては外を見る
通り過ぎる街に 君は 君は 離れてゆくのです

人影まばらな 最終電車の中
風が足音を 遠くへ 遠くへ 運んでしまうのです

風が足音を 遠くへ 遠くへ 運んでしまうのです
風が足音を 遠くへ 遠くへ 運んでしまうのです


スケートline

 しかし・・・

 はなから実るはずのない恋・・・・・

 彼女はやがて大阪よりも遠い広島の実家に帰る・・・・・

 600Mileも離れた広島・・・・

 しかも彼氏は居るし・・・・・・

 

 どうするんだよぉ〜

 600Mile彼方の彼女!!!

 P.P.M(ピーター・ポール&マリー)の「500Mileも離れて」よりスゴイんだぜぇ〜

 

 僕はまた泣くことになるのか??

 この恋を失うのか??

 本当に失わなければならないのか??

 いやっ!泣いてたまるかっ!(うっうっ)

 

BY 朱雀RS

(2004.9.17)

ピーター、ポール&マリー

 

◆ 前作「男の5」についてのコメント ◆

朱雀RS朱雀RS

葉羽さま

いつも、編集・校正を有難う御座います。

石校のHPって、誰が作ったのだろう!??
見つける方も見つける方ですよねぇ〜
いつもながら、スゴイ!!!
文章自体は40位のPOWERなのにぃ・・・・
ヴィジュアルと校正で、POWER−UP60!!
合わせて100ってな感じです!!!

森先生がいるぅ〜 敬礼!

あっ、武道館の写真が載ってる。
忘れてました、石校の誇り、武道館!!!
武道は全部、強いんですよ!!!
校門を入るとすぐ、武道館があって
石校のシンボルにもなっています。
自分には思い出深い写真です。
授業で剣道を選択していたのですが、
普通は授業の場合、’突き’は禁じ手なのに・・・・
石校の場合、平気で有りなんです、
何度、伸びちまったことか・・・・・・

つたない文章で有りました。
お褒め頂いて、光栄です。
あの二年間は一番惨めで、恥ずべき時間では有りましたが、
同時に、一番誇りにも思う季節でも有りました。
いまだに、一匹狼を気取り、斜に構えて生きてはおりますが、
一族郎党、恩人・友人等の群狼に支えられて生きています。
’肩を借りる’ばかりではなくて・・・・・・・
誰かに’背中を貸して’みたいと思う今日この頃・・・・・・
う〜ん、どうすれば良いのだろう????
思って、出来る事でもないし、
自然にこじんまりと生きています。
 
まぁ、暖かく見守って下さいませ!!!


DREAM様
 義兄様のこと、御愁傷さまでした。
 早速のレス、有難う御座います。
またまたの、応援有難う御座いました!

朱雀RSでした。

 

habane葉羽

 さて、600Mileの彼方に去って行くE美ちゃん・・・

 いったいこの恋の行方はどうなってしまうのか?

 この続きは「後編」で!

 

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