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 #222 恋しくて、やるせない

by 葉羽
Photo by 大和伸一 "秋の名残り"
BGM"Please Don't Go" by Blue Piano Man
Site arranged by 葉羽

 

 昔、当時中学生の弟が学校帰りに床屋で丸坊主にしてきた。

 失恋でもしたのかと聞いたら、小学校からの女の子の友達が今日から登校するようになったからだ、と。

  彼女は今まで病気で入院しており、薬の副作用で髪の毛が全部抜けてしまったらしい。

「女が丸坊主じゃ恥ずかしいって言ってたし、だったら 他にも丸坊主がいりゃいいかなと思って。 野球部の奴等は元々丸坊主だけど、野球部じゃない丸坊主がいた方がいい」と弟は言っていた。

 翌日、丸坊主で登校した弟は帰宅するなり「同じ事考えた 奴が一杯いた……」と。

 なんでも優等生から茶髪問題児を含め、クラスの男子全員が丸坊主かそれに近い頭になっており、病気の子と仲が良い女の子達までベリーショート、一人は完全な丸坊主になってたらしい。 更に担任の先生(男性)まで丸坊主。

 丸坊主だらけの教室で、病気の子は爆笑しながら「ありがとうありがとう」と泣いたという。

 示し合わせたわけでもないのに、全員同じ事考える当時の弟のクラスに和んだ。

 ちなみに病気の子は今も健在、弟は意外に丸坊主が気に入ったらしく、それからずっと丸坊主。

 

 

 

葉羽 「恋しくて、やるせない」について

 これは、フェイスブックのお友達が『鶴舞う形の群馬県/ほのぼの日本を愛する会』の記事に上げていたもの。昔ケイ子が癌治療を宣言された時に、僕も本気で丸坊主にすると言ったことを思い出します。ケイ子は髪が抜ける前に全部切ってヘア・ドネーションに寄付すると言いました。結果、緊急手術をすることとなり放射線治療はやりませんでしたが・・手術が成功して良かった。


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