【マルクス・アウレリウス「自省録」より抜粋】
◆人の一生は短い。君の人生はもうほとんど終わりに近づいているのに、君は自分に尊敬をはらわず、君の幸福を他人の魂の中に置くことをしているのだ。
◆何かをするときいやいやながらするな、利己的な気持からするな、無思慮にするな、心にさからってするな。君の考えを美辞麗句で飾り立てるな。余計な言葉やおこないをつつしめ。
◆明け方に起きにくい時には、次の思いを念頭にして置くがよい。『人間のつとめを果たすために私は起きるのだ。』
◆もっともよい復讐の方法は自分まで同じような行為をしないことだ。
◆あたかも一万年も生きるかのように行動するな。不可避のものが君の上にかかっている。生きているうちに、許されている間に、善き人たれ。
◆あたかも砂丘がつぎからつぎへと上にかぶさってきて前のものを覆い隠してしまうように、人生においても初めのものはあとからくるものに間もなく覆い隠されてしまうことを考えよ。
◆何かが起こって落ち込んだら、痛みの原因はその起こった事ではなく、それにかけていた期待である。そしてこの期待は、いつでも自分で取り消せる。
◆おまえの心を明るく楽しくしようと思うならば、共に暮らす人びとの長所を思え。
◆人に善くしてやったとき、それ以上の何を君は望むのか。君が自己の自然にしたがって行動したということだけで充分ではないか。
◆名声の後には忘却あるのみ。 |