病院偏重になっていく日本の医療。自宅で死ぬ人は四分の一に減ったと言われている。
病院に求めらているターミナルケアは、治る見込みのない人に単なる延命治療を継続することではない。しかし、癌の告知を避けながらインフォームド・コンセントの重要さを言う難しさよ。
癌末期患者の死ぬ直前まで採血したり、検査する等はもはや医療ではない。生命の尊厳のために最善を尽くし、それが患者の残された人生に有意義に結びつくものでなければならない。
人間のために医学があるのであって、医学のために人間があるのではない。
また、病院の医療は効率化を目標とするあまり、人間性を失う危険があることにも気付かなければならない。
末期癌患者を診るたびに痛感する。
青森市民病院副院長 西沢 諒一
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