少年時代 Poem by Fujiko
花を撮りたくてカメラを近づけたら 大きな蜂が飛び出してきたこと
山の緑を撮りたくて アングルに凝っているうち迷子になったこと
駆け回る子犬を撮りたくて 一緒に追いかけながらシャッターを切ったこと
あれは遠い夏 無心に撮り続けた少年時代 見るもの全てが輝いていた
故郷は何も変わらず 年輪を重ねた木々だけが逞しくなっていた
木立をわたる風 芽吹きの匂い・・ ああ、僕の大切なものは 最初からここにあった