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その13

あとけない話

 上野公園では基本的に怪しく振舞ってはいるが、さすがに何回も行っていると自然と顔なじみができる。

 何度も会っているのに知らん顔もできない。

 会うたびにゴリラを描いてくれというおばさん
「類人猿みな兄弟か」。

 干支を描いてもらうと運気が上がると何度も来るおばさん
「ごりやくは太陽にほえろにもあった」。

 会うたびに差し入れしてくれるおばあさん。(この方は私の母と同じ年で日本の 初代の婦人警官であり祖先は会津の武士らしい)
「あいづはあいづはかわいい年下の白虎隊」。

 路上販売のおじさん
「東京オリンピックの時から上野で露天商売をしている露天活動の大先輩だ」。

 体が不自由な方の散歩の支援しているボランティアのおじさん
「双葉町出身である。スタバとは関係がないらしい」。

 差し入れしてもらいっぱなしでは気がひける。怪しく振るまっているが実は世間体も気になる。

 落語家になれば名前は「世間てい気にする」だ。

 弟子はいない。 家元だ。だめもとかもしれない。

 師匠だ。支障はない。一文もない。

 差し入れのお返しに福島駅でお土産にママドールを買って行く。

 なぜママドールかというと売店の目立つ所に大量に並べてあるからである。また小分けにして渡しやすい。

 益損パイは、やたらこぼれるので食べにくい。

 ママ、ママ、ママドール。妙に癒される「まーまーの味だ」。

 これなーにアサカヤのバンダイそば、これはー「しつこい」。

 よかったな斉藤「個人名が出て斉藤さんは気恥ずかしい」。

 ふたっつみっつやっか「もっとくれ」。

 しゃれたセンスのうすい「うちわはないのか」

 ミサイルタワー「北朝鮮より物騒だ」。

 今夜は飲み砲台「標的は」。

 乾杯の温度は冷で「とりあえずビールでしょ」。

 高い所から失礼します「心より思ってない」。

 ご指名ですので「入札はしたのか」。

 なかじめということで「いつまでも飲んでないで早く帰ってね」。

 にじ会は「やっぱレインボーでしょ。ジェスパはないのか。仲見世は。」

 汚れちまったかなシミに、漂白の時代もありました。

 学校さぼってサボイアへ。

 すずらんどおりもとどおり。

 駅前こくさい、こくさいパール。日本のこくさい安全です。

 東映松竹OPの栄華激情の時代もありました。

 デパートじゃまだは、じゃまになりサクラとなって散りました。

 昭和にご唱和願います。

 テング熱からエボラ熱に変異したらしい。

 無駄な抵抗力をつけよう。焼肉強食だ。エボラ焼肉のたれだ。

 たれだー。名をなのれ、赤胴鈴の介。

 「やめて」辺見まりの声が聞こえてきた。もう言葉あそびはやめる。

 個人的な話だ。うちわの話だ。センスがない 。

 本当に病める。辞めた。

 アメリカ国歌を教えてくれたのはショランダーで酒乱だーではない。

 円谷を抜いたのはヒートリーでふーたりーではない。

 あの時の昭和のオリンピックが本当のオリンピックだ。

 あどけない話である。

 上野に本当の空があるのか。上ので下ばかり見て描いていた。

 水を撒いた地面に枯葉がひっつく。

 枯葉はクモの巣にかかった虫のように一時うごめき動いて、やがて飛ばされる。帽子も飛ばされる。

 風にふかれて頭が「あどけない話」から「あと毛ない話 」になる。

 (2014.11.3)アンブレラあつし

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