昭和52(1977)年に某食品会社に入社し化学部門(後に医薬部門)に所属していました。
私が入社する少し前にコ・エンザイムQ10(CoQ)をエーザイに供給し、エーザイが虚血性心疾患治療薬「ノイキノン」として販売を始めました。
ノイキノン錠10mg
ノイキノンは一時年商300億円を超え、その恩恵で化学部門は赤字から黒字に転じました。平成に入った頃には価格も下がり、ノイキノンの売上げにも翳りが見えてきました。
ところがその頃から欧米で、CoQは健康食品素材として脚光を浴びてきたのです。欧米への輸出でCoQ売上げはV字回復を果たしました。
CoQの規格は日本薬局方に記載されているのみでしたが、やがて欧州、次いで米国で規格化される動きがありました。
日本薬局方解説書
ところが米国規格は、市場で既に流通している当社製品が規格外れとなるものでした。
幾度かに亘る社内打合せを経て、平成12(2000)年8月に渡米。米国コンサルタントとの打合せの後にFDA(米国食品医薬局)へ。

FDA前にて、左から筆者、コンサル、上司(筆者提供)
何とか当社の申し出が通り、当社製品が規格割れしないように変更してもらうことで了承を得ました。
他の案件もあったので、上司に「今回の出張の半分は済みましたね」と言うと「99%だよ」と。何と言っても、出国の際は片道切符を渡されたような感じでしたので。
最後にコンサルには「Would you kindly these documents to my office by courier service? I need the space for souvenir.」と。
お土産を入れるスペースを(笑)
その年は、委託先にて結晶で得られる医薬品中間体が結晶で得られなかったり、さらにCoQの欧州規格では今まで見えなかった不純物が現れたり、何かと課題が多かったのですが、いずれも私のアイディアで解決できました。
研究所長になる前、仕事では一番輝いていたか?