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朱雀RS 8歳の頃から全国各地をサーカス(転戦)するスケート選手だった。

 

 F県で有名な文部省のモデル校に在学する僕は同級生が学んでいる間も走ったり、バーベルを上げたりしていた。

 だから、ノーミソ迄、筋肉で出来ているに違いない!

 中学を出ると故郷のF市から100km程離れたI市のテクニカルカレッジに越境入学した、F県内で最強の社会人チームで滑る為だった。

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 ALL関東にデビューを果たし、少しは知られる様になった頃、冬季国体F県代表と全日本出場権を手に入れた。

☆全日本ショートトラック選手権(品川プリンスアイスアリーナ1971年3月)【クオリファイ抽選会】

「見てやがれ、入賞してやる!」静かに誓っていた。

【3000m 一次・二次クオリファイ】

 先頭グループの最後でゴールし、予定通り無名のニューフェースのままTOP16に残ってファイナルへ進んだ。

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【3000m ファイナル】

 パンッ! スタートと同時にダッシュした。

 強豪達は、牽制し合って出て来ない!!!!!

 いきなり先頭に立ってしまった。

「いけねぇ~」僕は一人で空気と戦うはめに陥ってしまったのだ。

 

・・・(300m通過)・・・

 既に50m程セカンドグループを引き離し独走体制だった。

 なんという屈辱!

 この50mは「オメェなんかいつでも抜けるぞ!」という意味だからだ。

 コーチとタイムキーパーの「下がれ、下がれ!」の指示を無視した。

 ラップを上げたのだった、限界近く迄・・・

 長距離の選手は正確にラップを刻む為に進む。

 セオリーを無視して、氷を蹴り続けた・・・

 空気は風となり僕を押し戻し、筋肉のアチコチに乳酸がたまった。

 

・・・(1500m通過  80m程先行)・・・

 バカヤロウ扱いだったコーチとタイムキーパーの態度が変った!

 「イケイケGOGO!」のサイン・・・「あ~諦めやがったなぁ~」

 

・・・(2500m通過  30m程先行)・・・

 徐々にセカンドグループとの差は詰まっていた。

「早く助けてくれぃ」そんな気持ちになっていた。

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・・・(2800m通過)・・・

 とうとう追いつかれてしまった。

「これで楽になれる。」と正直安心した。

 ところが、ところがである、強豪たちは僕を盾にして風よけに使った!

「オイオイ、ふざけんじゃねぇぞ! 御願いだぁ助けてくれぃ!!」

「’頼むから、抜いてくれぃ!」

 

・・・(2900m通過)・・・

 強豪たちは一斉に飛び出していった。

 僕は名古屋の選手にはじき飛ばされコースアウト、フェンスにKISSしていた!

 もうヨレヨレでGOALした、始めての全日本終了!

 その日、僕は自分の県記録より遅い時計で、日本で15番目に早い男になった・・・

 僕は泣きながらリンクに一礼をして、たったひとつの財産である、鹿の皮であつらえたシューズを脱いだ。

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 僕は思った、「大人ってば、ズルイ!」10代の選手は僕一人だった。

 今でも、自慢気に話す、「全日本で9割以上TOPを張ったんだぜ!」って・・・でなければ、あの数分間の為に8年間を費やした僕の少年期はなんだったのか判らない!

 夜の街にデビューしてしまった僕は、どんどん記録を落とし、間違って手に入れてしまった村一番の大型バイクで事故を起こし、足首を潰し引退した。

 18歳だった!

一:スポーツマンシップなんて嘘っぱちです。

  アスリートは勝つ為にPLAYします。

二:アスリートは、きっとみんな馬鹿です。

  どれだけの事を犠牲にしているか判りません!

  だって、たった数分間・数秒間の為に一年を使います。

 今、「僕はプロスキーヤーです!」と言い張って、シーファーレン(スキー教師)をしている。

 上手く滑べれれば「いい風が吹いた」と言い、失敗すれば「風に恵まれなかった」と言い、練習には「風を集めに行こう!」と言っている。

 スポーツ少年団の子供達に「風になろうね!」と言っては元気に滑りまくっている。

 やめられないんだな、これが、馬鹿は!!!!!

 そう言えば・・・スケート選手の頃は「風になるんだ!」とか言っていたっけ!

 そうだ、あの頃の気持ちを思い出そう!

 上を向いたらキリがない 下を向いたらアトがない 泣いてたまるかっ! 夢がある

(by 朱雀RS 2012.4.8 リニューアル・アップ)

 手前ミソな話なら、沢山あるんですけどぉ!!!

 こんな話しってば、
 他人には面白くもなんともないですよねぇ????

「アタシの人生暗かった」ので、
 葉羽氏のHPには似合わないと思っていたのですが、
 いいや、自己表現してしまえ!っと・・・・・。

葉羽かつて「岸波通信」に存在し得なかった
 スーパー・アンラッキーボーイのキャラクター。

 この先に待ち受けるのは、
 栄光の未来か絶望の明日か?

 そこに何が待ち受けようとも“泣いてたまるか!”
 僕は君にエールを送り続けるよ。


 


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