【近頃思うこと】(長文です) 最近、御縁があって移住・定住の推進の御仕事に関わらせて頂いております。 地域から人が居なくなるのは地域の衰退、それが進めば地域が成立しなくなる。だから人を増やす必要がある。 ミクロで見ればその通りなんですが、日本全体で見たときには毎年人口が減少しています。 全体として減っているのに、ウチの町、こちらの市だけ人口を増やす。 そんな魔法のようなことができるのでしょうか? 移住・定住のイベントに行くと、どこも皆さん精一杯色々と知恵を絞って支援策を考えておられます。 でもそれって小指の先くらいの違いを強調しているような気がしてしまいます。 例えば税金をゼロにする。子育て家庭には無条件で1000万円支給する。なんてことをすれば、大挙して人が来そうな気はします。 でも、裏山から石油か天然ガスでも湧かない限り、思い切った目を見張るようなことはとてもできないのが実状だと思います。 ウチの町だけ日本から独立して消費税0にはできないんです。 それが証拠に、ほとんどの首長さんが選挙の公約で「人口減少を食い止める」「若者の定住を図る」と言われてますが、寡聞にして「大成功事例」というのを聞いたことがありません。 無論、小規模な成功事例はあります。 子育て家庭にフォーカスした施策。シングルマザーに有利な制度の導入。 いわゆる局地戦での勝利ですね。 対象を絞ってそこで効果を上げる。 しかしながらそれは全体攻勢には結び付きません。 どこまで行っても機動防御なのです。 そんなことは戦略、戦史を少しでもカジッタ人間ならば誰でもわかるはずです。 (なので「人口減少を食い止める」とか言う人は、耳ざわりの良いお題目を唱える確信犯か、本物の馬鹿かと思ってしまうのです) ただ、日本中の市町村がこのサバイバルゲームにエントリーしているのは確かです。だって、参加しないわけにはいかないから。参加しないと「ウチの町が無くなっても良いのか?」と住民から突き上げられるから。 「結局、何を言いたいのか?」それは個別にお問い合わせください。
(2022.10.18掲載) |