遺影の中で by 森明緒
介護の道を
がむしゃらに走っている時には気付かない
見て見ぬふりをしてきたものが
じわじわ じわじわと
時間がすぎるほど
濃く強く 疼きだす
私は正しかったの?
もっと何か出来たの?
何で今ここに居ないの?
それなのに母は笑う
遺影の中で
「昭和の最後の女だね」
そんな言葉がピッタリな
苦労症で心配性で
頑張り屋さんで前向きな
そんなすごいお母さんの
誰にも負けない深い愛情を受け続けたから
きっと最後まで診れたんだ
まともに生きるって事をよく分かってる
情け深いあなたが大好きです |