朗唱 by Aya
今日はいのちが惜しかった 地を這う蟻が バラバラになった蝉を運んでいく
そうそう、 おまえたちにつばさはいらぬ 生まれて育つ子のために 骸を囲んで団欒せよ
枯れ葉の上で、影は重なり 骸を囲む輪がひそやかに広がる
誰も咎めず、誰も急がず ただ生きるための祝祭が続く
風がひそやかに枝を揺らし 光が地を這うものの背に落ちる 生の重みがしんしんとふりかかる
這いつくばり、傷を抱えながら 小さな光を集めて