日常の記憶 by 丸山芳子
瞬く間に時が経ち 夏は突然終わって 秋の日に取り残された蚊が 音もなく飛ぶ
その間にあった出来事の 記憶が消えていくまえに 反芻するつもりで並べてみる
押し寄せる不要な情報を 消していく時間を 自分の記憶を確かなものに することに使いたいと 心の底から思いながら
つくることも 人との関係も 使うものも 住む家も 丁寧に大切に 積み上げていきたいと思うこのごろ