<<INDEX | <PREV / NEXT>
 

 

 

 

 

 

 

 

 

人生カルタ2025 忘れ得ぬ日々』""の札

  遠い記憶 by 大和伸一

 ある作家のエッセイで
 遠い昔に亡くした兄と一緒に
 山歩きした思い出話を読んでいて
 ふと 弟を連れて北八ヶ岳へ登ったことを思い出した

 空は抜ける様に青く
 遠く南アルプスの稜線に朝陽が当たり
 薄紅からピンクへと
 綺麗なグラデーションがかかってくる
 それを見た弟は 感動して
 一生懸命言葉を探している

 やがて風が出てきたので
 大きな岩の陰でザックを下ろして珈琲タイム
 コンロで溶かした雪で湯を沸かし
 大事に持っていった豆をフィルターで濾す

 すると
 先程まで寒いとボヤいていた弟が、
 一連の仕草を見ながらボソリと一言
「雪山が好きという意味がわかったような気がするヨ」

 来週からは春の陽気だという
 フッとまた雪山に登りたくなった

Poem by 大和伸一
BGM by フリー音楽素材花鳥風月 “紅色の風”
Photo by 茅野観光ナビ "北八ヶ岳"
Site Arranged by Habane

 


 
Copyright(C) 大和伸一&Habane. All Rights Reserved.