いちょう並木 by 葉羽
ここへ来ると 無意識に足が向いてしまう もうマスターは居ないと 分かっていたはずなのに
コーヒーはブラジルと コロンビアのブレンドだけ 食べ物はケーキセットだけ でも必ず付いてくる昭和のジョーク
綺麗好きなマスターが磨く 大きな窓はいつもピカピカ 近所の老夫婦や 下宿屋の学生たちの 談笑が絶えない店だった
マスターが愛した 金色の落ち葉たちが 今年も舗道を染めて・・ また一つ 大切な思い出が消えて行く